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posted:2015.5.30 from:大阪府大阪市 genre:ものづくり
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
大阪を拠点に活動するプロダクトデザイナー、小池和也さん。
家具、雑貨、家電などのプロダクトを手がける
デザイン・スタジオ「Doogdesign.」を主宰されているクリエイターです。
「コロカル商店」でも小池さんが携わるプロダクトが
販売されています。
さてこのたび、小池さんがデザインを手がけた、
吉野杉を使ったお猪口と徳利、「YOSHINO」が
海外のデザインブログなどで話題になっています。
このお猪口と徳利は、
吉野杉、陶器、ガラスという3種類の素材を見事に使い分け、
洗練されたシンプルなフォルムを実現。
熱燗用には陶器の徳利を
冷酒用にはガラスの徳利を。
それぞれに、持ちやすい直径約1.5寸の吉野杉製のお猪口が付いています。
円錐台の形状は下から杉の木を見上げた様子にちなんでいるそう。
この大阪で開催されたアート・デザインイベント「ツムテンカク」
にて行われた、関西で活動する8名のプロダクトデザイナーが
お猪口と徳利のデザイン・試作をして発表する
プロジェクト「徳利とお猪口のデザイン展」で制作されたもの。
作品を展示もしながら、その作品でお酒を試飲してもらうという初めての試みでした。
「準備・制作期間が一ヶ月というとてもタイトなスケジュールでしたが、
何とか展示にこぎつけました。
今回僕は3種類の素材を使っていて、量産品でもそうなのですが、
異素材の組み合わせというのはとても難しいのです。
素材ごとに作る場所も性質も違うし、
実際に作ってみると思っていたようにならないこともあります。
どのような工程で作るかを最初に考えないといけません。
また、現場でのアドリブも必要になります」
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吉野杉は密度が高く酒樽にも使われる高級木材。
しかし高度成長期以降、日本人の生活も西洋化が加速し、
生活道具の材料として使われなくなっていきました。
1980年頃からは、建材としても輸入材に押され、
いまは植林が放置され荒れた果てた山も少なくありません。
小池さんはそんな吉野杉を親しみやすいデザインプロダクトで
少しでも皆に知ってもらおうと思い、このプロダクトを制作。
いまはイベントのためのプロトタイプですが、
これをきっかけに吉野杉にまつわるプロジェクトが動き出しそう、とのこと。
新しいプロジェクトが楽しみです。
「YOSHINO」
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