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ドキュメンタリー映画「アラヤシキの住人たち」。長野県小谷村の山奥で、自給自足の豊かな暮らし。

コロカルニュース

posted:2015.4.10  from:長野県北安曇郡小谷村  genre:暮らしと移住

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最近は、都会を離れて田舎で暮らすライフスタイルへの関心が、また高まっていますが
およそ40年前から、山奥で自給自活の生活を続けている人たちがいます。
映画「アラヤシキの住人たち」は、そこで暮らす人々を追った、ドキュメンタリー。
監督は、チェルノブイリ原発と被災地で暮らす人々を追った、
映画「ナージャの村」「アレクセイと泉」の本橋成一さん。

舞台は、長野県北安曇郡にある、小谷村というところ。
昔から自動車は入ることができず、
山道を1時間半歩かなければたどり着けない場所だそうです。
「アラヤシキ」とは、登場人物たちが共同で暮らす、
2階建ての立派な茅葺きの家のことで、
もともと住んでいた方たちの高齢化などによって一度廃村となった後に、
受け継いだものだとか。

雪もたくさん降ります

そんな場所で過ごす毎日は、当たり前ですが、自然に満ちあふれています。
春にみんなで植えた稲は、夏には青々として、夕立に打たれて緑はみずみずしく輝き、
秋は黄金色に実った稲をみんなで収穫、冬は一面の雪景色にしんとします。
自然の摂理を中心とした時間の流れのなかで、朝はラジオ体操に始まり、
炊事と掃除、家の修築、ヤギの世話といった身の回りのことは自分たちで行います。

ここには20代~60代の男女が十数人暮らしています。
最年長で中心メンバーの夫婦、経験豊富で頼れるおじさん、
メンバー同士で一緒に暮らすうちに夫婦になった二人、
大学の実習でたまたま来たら居心地のよさに居ついてしまった若い女性、
障がいや社会への適応に困難を抱える人。
それぞれの事情を抱えながら、同じ屋根の下で共同生活を過ごしています。

やがて映画は、メンバーの出会いと別れを追っていきます。
ある人は自分を見つめ直すために都市に戻ることを決め、
またある人は突然姿を消したかと思うとふらっと戻ってきます。
でも彼らは、お互いを一方的に責めたり非難したりせず、相手の意見を認めたうえで、
「また戻ってきてほしいと思える場所であり続けたい」と言います。

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そもそもこの共同生活は、
自由学園の教師だった宮嶋眞一郎さんが設立した、共働学舎が舞台になっています。
共働学舎とは、「競争社会ではなく、協力社会を」という理念のもと、
社会で弱い立場にある人たちと一緒に農業や酪農などの労働を行いながら
自立した生活を目指す場所としてつくられたものだとか。
監督した本橋さんは、中学時代に宮嶋さんに教わった経験がきっかけとなり
この映画の撮影を思い立ったそうです。

やがてカメラが2度目の春を写す頃、
アラヤシキの若夫婦とヤギが、新しい命を授かります。
大きな自然と、ゆっくりと流れる時間に祝福された日常。
人間の暮らしとは、本来はこのような姿なのでしょう。

映画の公開に先駆けて、
写真家でもある本橋さんの写真絵本「アラヤシキの住人たち」が発売されています。
お求めはこちらまで。

映画「アラヤシキの住人たち」
監督:本橋成一
プロデューサー:大槻貴宏
撮影:一之瀬正史
製作・配給:ポレポレタイムス社 ポレポレ東中野
2015年5月1日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
URL:http://arayashiki-movie.jp/

写真提供:映画「アラヤシキの住人たち」より/ポレポレタイムス社

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