news
posted:2023.7.19 from:長野県北佐久郡軽井沢町 genre:活性化と創生
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
軽井沢のリフォーム会社〈土屋設備〉より、軽井沢町の間伐材を再利用した
バイオマス燃料〈軽井沢ブリケット薪〉が2023年5月に発売されました。
軽井沢は真冬で-10度以下になる寒冷地で、薪ストーブ愛好家が多い地域。
その地の広大な森林は一見薪の調達に事欠かないように見えますが、
日本の林業は戦後急速に衰退しており、
木はあれど木材として活用できないという深刻な問題が発生しています。
近年は薪の価格が高騰し、調達が難しくなっている事情も。
今回の開発のベースとなったブリケット薪は、
おがくずを高温高圧縮して製造した薪で、今注目を集める木質バイオマス燃料。
木質バイオマスといえばペレットが有名ですが、
ペレットは専用のストーブやボイラーに用途が限られています。
このブリケット薪は通常の薪と同じように、薪ストーブ、薪ボイラー、
アウトドアやキャンプでのたき火、災害用の備蓄燃料などさまざまに使えるのが特長。
これからの時代の木質バイオマス燃料として期待されているのです。
Page 2
一般的なブリケット薪は木材加工で出る端材を原料にしていますが、
この〈軽井沢ブリケット薪〉は軽井沢町内の造園業で出る枝、
軽井沢町内をはじめ長野県内の間伐材などを原料にしています。
自社工場で間伐材からブリケット薪の完成まで一貫生産。
薬剤などを一切使わない100%木質原料で含水率が低いのでスムーズに火が付き、
1本あたり約1時間から1時間半と火力や燃焼時間も安定しています。
手で簡単に割れるので焚きつけ不要で灰の量やにおいが少なく、
害虫発生リスクが低いため室内保管が可能。
コンパクトでサイズが統一されているのもうれしいポイントです。
造園業では、多いところで年間700万円もの処分費をかけて処分しているゴミが、
ブリケット薪に生まれ変わることで有効活用できる道が拓けたそう。
また、他の自治体では 「一般廃棄物」 というゴミとして扱われる間伐材や枝は、
軽井沢町では 「再生資源」 とされチップ化して利用を促進。
しかしまだまだ利用が追いつかない現状があり、
その点でもブリケット薪は大きな可能性を秘めています。
ここまで多彩なメリットを持つとは、ぜひとも取り入れてみたいですね。
information
軽井沢ブリケット薪
Web:公式サイト
*価格はすべて税込です。
Feature 特集記事&おすすめ記事