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posted:2023.5.6 from:埼玉県日高市 genre:食・グルメ
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writer profile
Riho Nakamori
中森りほ
なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。
埼玉県日高市で150年以上続く老舗茶問屋〈備前屋〉。
明治初年の創業以来、地元の特産品である狭山茶を専門に扱っています。
現在、埼玉県 西部地区の入間市、所沢市、狹山市、日高市、飯能市12か所の
製造工場から供給される荒茶を全て自社の再製工場で仕上げ、袋詰めし販売。
自らも茶園を経営し、いまや貴重になりつつある「野木園(のぎえん)」の
手摘み茶の栽培、生産に継続して取り組んでいます。
狭山茶本来の味、香り、水色を生かした「本物の狭山茶」を追求し、香り高い狭山茶、
昔ながらの深い味わいとコクのある備前屋の狭山茶。
その努力と成果が評価され、2023年1月にパリで開催されたフランス唯一の
日本茶コンクールで全応募数230茶のベスト18(6部門各3品)にて備前屋の
〈紫にほふ釜炒り製緑茶〉(20グラム980円)が金賞及び、
在仏日本大使特別賞をW受賞しました。
紫にほふ釜炒り製緑茶の「紫匂う」とは武蔵野を表す言葉(枕ことば)。
備前屋ではその年に作られた単一品種(シングルオリジン)で一番良いものを
〈紫にほふ〉という名前で商品化しています。
「江戸紫」を生んだ名草「紫草」のように萎凋香で染め上げた狭山茶「紫にほふ」は
武蔵野に育まれた香りの良い狭山茶です。
備前屋では、今年初めて「ゆめわかば」(比較的最近生まれた品種)で
釜炒り製緑茶をしてみたところ、非常にできあがりが良かったそう。
そこで今回の「Japanese TEA Selection Paris 2022」に出品されることとなりました。
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狭山茶は萎凋(いちょう)という独特の手法によって、
清涼感のある爽やかな香りの味わいに仕上がります。
「萎凋」とは、お茶の香りを高めるために、摘み取った茶葉を最高の香りを発する
70%まで萎れさせるというもの。
「軽やかだけど薫りが強い」のが特徴の製法です。
しかし、日本茶の世界では一般的に新茶に代表される新鮮香(しんせんか)の
評価が高く、萎凋香は評価が低く、むしろ欠点とされてきました。
ただし、萎凋は世界的なお茶の製法としてはメジャーで
紅茶やウーロン茶の最初の工程は萎凋で、香りを出すのに優れた製法となっています。
日本茶は通常、蒸気で蒸す製法ですが、今回は初めて中国や台湾のウーロン茶のように
「釜炒り」という製法を採用。
備前屋では台湾から炒るための製茶機を輸入して、釜炒り製緑茶をつくっています。
それによって清涼感のある爽やかな香りが生まれました。
日本茶は「味が一番で香りが二番手」とされています。
しかし、世界的にはお茶は香りが一番重視されており、
Japanese TEA Selection Paris 2022でも紫にほふ釜炒り製緑茶は
審査員から香りを最も評価されました。
特別賞を選んだ日本大使からは「繊細な香りのするお茶」とコメントがありました。
にごりのない琥珀色の紫にほふ釜炒り製緑茶の茶葉は、
いわゆる紅茶のように縮れており、香りも緑茶に加え紅茶のような芳しさがあります。
茶葉に熱湯を注ぎ1分ほどで、ふくよかな香りが広がります。
緑茶ながら海苔のようなミネラル感とうま味、萎凋香が真っすぐに伝わる味わいです。
ちなみに紫にほふ釜炒り製緑茶は埼玉県日高市の
ふるさと納税返礼品にもなっています。
世界でも評価された狭山茶の魅力を、あらためて感じてみるのも良さそうです。
information
備前屋
住所:埼玉県日高市高萩133
営業時間:8:30〜18:00(9:00〜18:00)
店休日:無休
TEL:042-989-2001
Web:〈備前屋〉オンラインショップ
Web:日高市ふるさと納税返礼品サイト
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