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〈BESS〉の「栖ログ」は、
小屋で、平屋で、ログハウス。
小さく建てる、という逆転の発想とは?

コロカルニュース

posted:2022.9.21   from:全国  genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築

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writer profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

新しい「平小屋(ひらこや)」という文化

断捨離という言葉が当たり前のように使われる世の中になっています。
家にいろいろなモノがついつい溢れてしまうという人も多いと思います。

暮らしに必要なものとは何か? もっといえば、自分にとって重要なものとは何か?
そんなことを今一度考えてみたくなる家のカタチがあります。
ログハウスを多数展開している住宅メーカー〈BESS〉から
新発売された「栖(すみか)ログ」です。

栖ログは小屋であり、平屋であり、ログハウス。
その融合である“平小屋”です。
小屋裏(屋根裏)はあるものの、基本的には平屋づくりであり、
コンパクトな設計になっています。

かわいい平屋に憧れている人も多いはず。

かわいい平屋に憧れている人も多いはず。

栖ログをデザインしたBESSチーフデザイナーの山中祐一郎さんは
「栖とは鳥の巣の意味。鳥の巣って家ではなく、仮のもの。
そのように、もっと軽やかに暮らしてほしい」と言います。
家ではなく、小屋で暮らすという提案です。

「鳥の巣は“子宮の外部化”であって、子供を育てるためにある。
つまり目的がはっきりしています」

暮らしの目的は何か、何がいちばん大切か。
家が大きいと、その箱に合わせてモノがどんどん増えていきます。
収まりがつかなくなって、
より広い家に引っ越しをしたという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

ただ物を整理して処分していく断捨離というよりは、
自分にとって何が大切かを理解すれば、自ずと目的はシンプルになる。
すると自分らしい暮らしが見えてきそうです。

栖ログのシンボルは鳥?

栖ログのシンボルは鳥?

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庭に寝てもいい?

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庭も暮らしスペースの一部である

栖ログはコンパクトだから無駄なものは置けません。
必然的に自分に必要なものが残るのでしょう。
山中さんがいうには「『方丈記』の鴨長明が、
質素な暮らしのなかで最後まで残したものは、琵琶だった」そうです。
必要なものは人それぞれ。必ずしも生活必需品ではないのかもしれません。
そんなことも、じっくり考えてみたい。

コンパクトなので全体を見渡すことができる。

コンパクトなので全体を見渡すことができる。

栖ログは“小さく建てて、大きく暮らす”というコンセプトを掲げています。
同じ敷地面積であるのならば、建物は最小限度にして、
なるべく庭の面積を大きくとってほしいという意図です。
それゆえ家の奥行きは4.5メートル。5歩も歩けば、もうそこは外。
「小さく建てることが価値」とは逆転の発想に感じます。

庭で家庭菜園をするも良し、テーブルを出してダイニングにするも良し、
テントを張って過ごすも良し。
庭も暮らしスペースの一部ととらえれば、いろいろな発想が生まれてきそうです。

「小屋裏」と呼ばれるスペース。

「小屋裏」と呼ばれるスペース。

通常はリビングやダイニング、寝室などと名前がついていますが、
栖ログにはそれがありません。
リビングやダイニングなどとネーミングしてしまうと、
それを想像して使用方法を限定してしまいます。
そうした固定観念から解き放たれて、自由な発想で暮らすことを推奨しています。

だから庭で寝てもいいし、誰々の部屋なんて決めなくていいのです。
今までにない家の使い方を、思いつくかもしれませんね。

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三角窓から何を覗こうか。

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天井が高く、1室の平屋

栖ログは、「S30」「M40」「L60」の3種類の広さを展開。
どれも平屋ですが天井が高くなっています。
それゆえ小屋裏(屋根裏)スペースが生まれます。
立つことができるほどの高さがありますが、あくまで平屋なので部屋ではありません。

仕切りもないので、すべて含めて「1室」。
開放的なつくりなので、狭さは感じません。
しかし間仕切りを追加することが可能です。
生活スタイルの変化によって、フレキシブルに。

大きく張り出された波板のひさし。

大きく張り出された波板のひさし。

大きな窓部分には、いわゆる「雨どい」がありません。
その代わり、波板のひさしが張り出されていて、
雨が玉のれんのように見える工夫をしています。
雨も楽しむ。外とつながっていることを感じる。
屋外も含めて、栖ログでの暮らしなのでしょう。

外からひょっこり屋根に飛び出しているのは、かわいい三角窓。
屋根裏から外を覗き見する感覚です。
秘密の場所みたいで、ちょっとワクワクしますよね。

三角窓は、内側からは潜望窓になっている。

三角窓は、内側からは潜望窓になっている。

より自由な精神で暮らしを楽しめる仕かけになっているBESSの新商品。
平屋と小屋が融合した「平小屋」という新しい文化は魅力的に映ります。
コンセプト文にもある通り、「なにを捨てるか」イコール「なにを選ぶのか」です。
さあ、なにを選びましょう?

information

栖ログ

「S30」

暮らし面積:52.16平方メートル 1360万円(税込)

「M40」

暮らし面積:72.55平方メートル 1580万円(税込)

「L60」

暮らし面積:96.54平方メートル 1850万円(税込)

※価格は税込み参考価格です。地域・建築条件により異なります。

Web:BESS

Web:「栖ログ」商品ページ

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