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連載

飯能〈おらく〉
やきとりに、湯豆腐も。
創業70年の居心地いい居酒屋

たびのみ散歩
vol.022|Page 1

posted:2017.2.10  from:埼玉県飯能市  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  イラストレーターとして活躍する平尾香が、各地の粋な飲み屋をご紹介。
旅して飲んで、おいしいお酒と肴と人に出会います。

text & illustration

kao.ri hirao

平尾 香

ひらお・かおり●イラストレーター。神戸生まれ、独自の個性を発揮した作風で、世界的ベストセラー「アルケミスト」を始めとする書籍のカバーや、雑誌の挿絵、広告などで活躍。個展も多数開催。現在は、逗子の小山にアトリエを構え、本人の取材やエッセイなど活躍の幅は広い。著書本に「たちのみ散歩」(情報センター出版局)「ソバのみ散歩」(エイ出版社)
www.kao-hirao.com
www.facebook.com/Kao.0408.hirao

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思わぬ電車の旅でたどり着いた、老舗居酒屋で一杯

その日の私のバッグは、斜めがけしたポーチ、
サブバッグのトートバッグ、買い物した紙袋と3つ。
年末の混み合うラッシュ時間の電車で網棚にのせたトートバッグを、忘れ物。
問い合わせたところ4社目で見つかり、ようやく安堵。
東横線で私に置いてゆかれ、副都心線で気づかれることもなく、
西武線で長らく揺られ、終着駅の飯能駅にあるそうな。

都心近郊の乗り入れ電車は続くよどこまでも。
取りに行くのは、片道2時間ちょっとのゆられ旅です。
大事な商売道具のペンケースとスケッチブックの入ったトートバッグを受け取って、
せっかくなので、知らないまちの駅を降りてみます。

夕暮れ時のロータリーに見つけたのは、やきとりと寿司の文字。
ガラガラと引き戸をを引いて「居酒屋おらく」の暖簾をくぐります。
先客はなく本日最初の客のよう。奥まで広い。
左手のカウンターには、予約席とあったので、右手のくの字のカウンターへ座って、
再放送の、事件の起こるドラマが流れているテレビを斜め上に観つつ、
瓶ビールを注ぎます。

目の前のカウンターの2段目の漆塗りに気がついて、
聞いてみると寿司カウンターだったそう。
創業70年、きつく結ばれたハチマキがお似合いの大将が3代目で、
壁の写真のおばあちゃんの時代は、お寿司もやっていたので、
遠くにかけられた小さなホワイトボードのおすすめメニューの上部は魚介類。

しらこのポン酢和えと湯豆腐を注文して。
お通しのマカロニサラダをいただきながら、じんわり、ほっこりする居心地のよさ。
大将の持ち場は、左のカウンター内、串打ちしたり何かと忙しそうです。
湯鍋敷きと味ぽんが置かれて、湯豆腐待ち。

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