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2017年に家族3人で移住し、この春で下田在住8年目となります。
小学校入学前だった娘は中学生になり、
わが家の暮らしもだいぶ変わってきました。
そんなタイミングで、とても大きな動きがありました。
今、空き物件を再生させるべく法人を立ち上げ、
多くの方の協力を得ながら開業準備をしているのです。
移住した当初は、まさか自分が下田で事業を始めるなんて……、
法人を立ち上げるなんて……。まったく想像していませんでした。
人生何があるか? わからないものです。
そして、これもまた人生初の試みなのですが、
新事業立ち上げの資金を集めるために、
クラウドファンディングにも挑戦しています。
今回はその概略をお伝えできればと思います。
どんな事業かというと、
下田の中心市街地へとつながる橋のたもとにある
4階建ての空き物件を、
『地域内外の人が集う『交流・共創・挑戦』の拠点、
そして『地域のこどもの居場所』となる複合施設として再生させ、
運営していくというものです。
具体的には、
・シェアハウス(オフィス・教室なども入居可)
・ ゲストハウス
・ コワーキングスペース
・シェアカフェ(日貸し・週貸しの飲食店。自分と妻によるカフェ営業も)
・イベントスペース
・子どもの居場所(自習利用可、卓球台やボードゲームのある
プレイルーム、こども図書館、定期的にこども食堂を開催)
というイメージです。
施設名は、かつて下田が江戸と大阪という
最も重要な航路の途中にある
「風待ち港」(風や雨が激しくなったときに船が避難する港)として
栄えた歴史を踏まえて
〈Kazemachi SHIMODA -風まち下田-〉としました。
まず、なぜ自分がそんなことを考えるに至ったのか、
少し時間はさかのぼります。
2019年、地方創生に取り組む東京の企業が、
「元造船会社の寮」だった4階建ての空き物件を再生させ、
ワーケーション施設として開業させました。
私はその施設の拠点マネージャーとして、
2022年より運営に携わるようになったのです。
コロナ禍の影響もあり、施設は多くのリモートワーカーで賑わい、
イベントを企画し、利用者と地域の人との交流の場をつくりました。
多種多様な人たちがこの施設で同じ時間を過ごし、
新たな関係を築くようになったのです。
ここでの「交流」がきっかけとなり、
「下田」の人やまちや自然を気に入ってリピーターとなり、
なかには下田に移住、起業した方もいて、
多くの関係人口を創出しました。
ところが、施設は昨年2023年の年末に、企業の都合で閉鎖され、
この場所は再び空き物件となってしまったのです。
「開国のまち」で知られる伊豆下田。
東京から3時間以内で行ける距離にありながら、
南国を思わせる白い砂浜のビーチが人気の観光地です。
特に夏は多くの観光客で賑わうのですが、
急激に進む人口減少、それに伴う人手不足、
夏とそれ以外の繁閑の差、
多くのシャッターが閉じたままの商店街、
増える空き家・空き物件……といった課題を抱えています。
そんななか、たくさんの人が集い、
多くの関係人口を生んでいた施設が閉鎖されてしまったことは、
施設に関わっていた方たちにとって、
もちろん私にとってもとても残念なことでした。