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どんな内容だったのか? といいますと、
海と山が近い下田では、それぞれの魅力を知ることができるうえに、
それぞれで起きている問題も学ぶことができます。
そんな下田でやるべきエコツーリズムとして、
学生や子どもたち、これからの社会を担う世代を対象とした、
環境問題を知る、そして行動へのキッカケづくりとなるような
「合宿型エコツーリズム」を提案しました。
下田には「開国のまち」としての歴史があります。
実は開国をキッカケとして、江戸時代に築いてきた
「里山の資源を有効活用する循環型社会」から、
現代の「化石燃料に依存した大量生産、
大量消費、大量破棄型の社会」にシフトしていきました。
その結果、温暖化を起因とする多くの環境問題を
引き起こしてしまっていて……。
もちろん現代の暮らしは『快適便利』で、
今さら江戸時代のような暮らしに戻れません。
でも、そうした快適便利との引き換えに起きている環境問題を知り、
江戸時代の循環型社会の肝ともいえる「里山」で、
その循環がどのようにして成り立っていたのか? を知ること、
体験することが、今後必要なあらたな循環型社会を考える際の
ヒントになるのではないか?
また、学生や子どもたち対象の合宿型エコツーリズムであれば、
一度、各行政や教育機関との関係を築けば、
その後安定した計画的なプログラムづくりができる利点もある。
そんな提案をさせてもらいました。
わが家は、耕作放棄地となっていた田んぼで、里山の竹林を伐ってつくる「稲架(はざ)」掛けで天日干しの米づくりをしています。こうして里山の田んぼを、竹を、使うことが、何より里山を循環させて健全に保つともいえます。
そんな矢先に、個人的に交友を続けていた、
学芸大学非常勤講師で『世界の環境問題』の講義をされている
野口扶美子先生が、
その講義のフィールドトリップを下田で企画されていました。
まさにプレゼンで提案したような
『合宿型エコツーリズム』が行われるようです。
今回、特別に地元側のサポート役として自分も参加させてもらい、
一部分、下田の自然と人のくらしのつながりを学ぶ
アクティビティの企画とガイドをさせていただきました。
学生のみなさんのリアクションもとてもよく、
下田での『合宿型エコツーリズム』の可能性を感じております。
どんなフィールドトリップだったのか? どんな学びがあったのか?
その様子を紹介します。