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そして、今年の田植えには
同級生のなかで唯一参加してくれた男子がいました。
彼は事前にお母さんとこんなやりとりをしていたそうです。
母「同級生、男の子ひとりだけだけどいいの?」
息子「お母さん、遊びに行くんじゃないんだよ。
俺は田植えをしに行くんだよ!」
彼は4年間わが家の米づくりに参加してくれているのですが、
最後まで粘り強く作業してくれる姿がとても印象的でした。
そして今年もまた最後の最後まで楽しんでくれていた。
こんな風に、地元の子供たちが楽しむ場として
集まってくれたことも、
私たちにとっては本当にうれしいことです。
娘が来年入学する中学校に「農村部」という部活を立ち上げて、
里山のあれこれを学びたいね〜、
なんてこともみんなで話しています。
実現するかどうかわかりませんが、
手伝ってくれている同級生の男の子は部長をやってくれるそうで、
やる気満々です。
田中凛くん。3年前の稲刈り時に撮影したもの、当時4年生。
今年の田植えでの凛くん。最後に残された田んぼの隅っこを植えていく。同級生女子も、「農村部、いいね!」と。部員2名は決定? かな?
今年も土屋夫妻がわが家の米を羽釜で炊いてくれて、千代田屋旅館さんがつくってくれたカレーを土手に座りながら頬張る。みんなで同じ釜の飯を食べるこの瞬間は、私にとってとても満たされる時間です。
6年間続けてきた米づくり。
人との縁が広がったり、仲間との関係が深まったり。
そして、子どもたちの目覚ましい成長が刻まれていきました。
来年からの米づくり、どんなカタチにまた変化していくのか。
農村部、始動するのか?
その前に、今年の稲がどうか無事に、
元気に育ってくれますように。
【追伸】
「わが家の米づくり」とこれまで書いてきましたが、
正確にいうと「夫の米づくり」です。
正直なことを告白すると、私は田んぼ作業が得意ではありません。
米づくりを始めた当初は、
作業を一緒にやらなくてはと思っていましたが、
暑さに弱く根気強さがない私にはとても厳しいのです。
一方、夫にとっては田んぼの世話は楽しめる得意分野。
(もちろん、暑い最中での草取りなどはヒーヒーいっていますが)
年々、私がフェードアウトしていき、
夫がひとりでコツコツとやるようになりました。
自分が戦力になれず申し訳ない、という気持ちもあり、
私は昼食の弁当をつくって届けたりしています。
それは、私にとって無理なくできることです。
もちろん、夫から「手伝って欲しいー!」という信号があれば、
家族総出で出かけて草取りや草刈りをします。
そして、夫が田んぼに関わっているあいだ、
私は家でせっせと梅仕事やらっきょうを漬けたりしています。
それも「しんどい手伝ってー!」というときには、
家族を招集します。
それぞれが得意なこと、楽しめることを負担し、
助けが必要なときは団結する。
これが家族の心地よいバランスなのかな〜と、
田んぼから感じることがありました。