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◎材料(4~5キロの仕上がり量)
大豆 1000グラム
麹 1846グラム
塩 552 グラム(11.5%)
大豆を購入すると500グラムや1キロ単位でパッケージされています。
それをちょうど使い切りたいので、
4~5キロという中途半端な仕上がりになっています。
家族3人で仕込むときはこの分量の3倍を一気に仕込むのですが、
ひとりでやるときは数日に分けて3回ほど繰り返したりもします。
大豆をつぶすのと材料をまんべんなく混ぜるのが力仕事なので、
男手(夫)がいるととてもはかどります。
このレシピは麹が通常より多い甘口です。
キャベツやきゅうりにつけてそのまま食べてもとてもおいしく、
味噌汁にしてももちろん美味。
わが家はこの甘めな贅沢味噌が好みです。
・大豆
下田に移住してから、せっかくだったら
地元の材料を使いたいと考えました。
ところが、まとまった量の大豆を入手するのがなかなか難しく、
農家さんに聞いてみたところ、下田の気候は
大豆を栽培するのにあまり適していないのだそう。
そこで、大豆は九州の無農薬のものを通販サイト『きくち村』で
新豆が出たら取り寄せています。
いろんな生産者さんが大豆をつくっているので、
毎年違った豆を試してみるのも楽しみです。
・麹
東京に住んでいたときは、自然食品のお店で購入していました。
けれど、地方ならひょっとして麹屋さんがあるのでは?
とネットで検索してみると、同じ伊豆の松崎町にある
〈糀屋〉さんを発見。
それ以来、毎年この時期になると麹を購入させてもらっています。
東京では麹屋さんなんて縁がなかったので、
できたての麹の香りやもふもふ具合に心が躍ります。
・塩
塩は仕上がりの味を左右する肝心要の存在だと思っています。
いわゆる安い塩だと辛味が強くとんがってしまい、
奥行きが感じられません。
一度、友人たちと塩だけそれぞれの好みの物を持ち寄り、
ほかは同じ材料で同時に仕込みました。
仕上がった味噌を食べ比べてみると、
まったく味わいが異なったのがとてもおもしろかった。
わが家では下田市の隣り、河津町でつくられている
〈満月の塩〉を使っています。
このお塩をつくっているのは建築会社を営む土屋宗一郎さん。
現場で出る廃材を何かに利用できないかと始めたのがこの塩づくりです。
満月の夜に海水をくみ、ご自身でつくり上げた塩釜で
廃材を燃料として炊き、その後、天日干しにした手間のかかったもの。
ふわっとした食感で、まろやかで甘みのあるおいしいお塩です。