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その頃コナギが目立っていたのは、田んぼのおよそ半分くらいの範囲。
友人たちのおかげでおおよそ除去され、
あとは私だけでもなんとかなりそう! とひと安心。
したのも束の間、「あれ? ここには生えてなかったよね……?」
という場所にもしだいに現れ始め、一面がコナギで覆われていく……。
そうか……タイミングに差があっただけで、
最終的には田んぼ全体に生えるということだったのか……
という状況にまた焦るのです。
焦るのには理由があり、中干しをする時期が迫ってきたからなのです。
中干しというのは田んぼの水を抜いて表面を乾かす作業なのですが、
それによって溜まっているメタンガスを排除して土に酸素を取り入れ、
稲の根っこをよりしっかり張らせます。
もうその時期がやってくるというのに、
コナギと決着がつかないどころか、どんどん増えていくー!
夫と相談し、ひとまず中干しをスタートさせて
同時に除草を続けてみようということになりました。
再び、複数の友人たちの手を借りて作業をしました。
ところがです、かたくなり始めた田んぼでは
足がハマって抜けないうえに、コナギを根っこから抜こうとすると
土ごとついてきてしまい、かなりの難儀。
それでも友人たちががんばってくれたおかげで
かなりはかどったのですが、まだまだ残っているコナギを抜くには
この田んぼの状態では厳しい。
そして、コナギと共に土が持っていかれることによって
稲の根っこが弱ってしまいそうで不安、というのもあります。
たまたまその日、隣の田んぼの方
(いつもいろいろ教えていただいています)を見かけたので
相談してみると、水が入っていない状態で草取りはやはり厳しいと。
一度水を戻して草取りをやって、
それからまた中干しをすればいいとのアドバイス。
「昔は除草剤なんてものなかったから、君たちみたいに
田んぼに入ってみんなで草取りしたもんだよ~」と。
昔を思い出しているような柔らかい表情を浮かべて
「がんばって」とエールを送ってくれました。