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春から夏にかけて、下田はまばゆいばかりの青葉で彩られます。
そして、わが家(まだ新居には引っ越していません)の庭の草木もまた、とてつもなく元気に。
とくに雨が降ったあとは「んん!?」と目を疑いたくなるほどで、
少し前に草刈りした場所が一瞬にして覆われてしまいます。
移住してきた当初は夫に任せきりだった草刈りですが、
ふたりがかりでやらないと間に合わない。
ということで、私も扱いやすい充電式草刈機で
草刈りをするようになりました。
1年目は人生で初めて経験する草刈機を使いこなせず、
手が痺れるうえに作業が進まない。
正直、「もう庭なんていらない……」と、泣きそうになることも。
ですが、4年目ともなるとそれなりに慣れてきました。
草がまた伸びてるな、と思ったらパパッとやれるくらいに
フットワークが軽くなり、少しずつコツも掴めてきたので、
以前に比べるとだいぶ作業がスムーズに。
そうして少し余裕を持てるようになったいま、
あらためて暮らしに役立てられる草木のありがたみを感じています
(いや、もちろん草刈りは大変ではありますが)。
たとえば裏庭の草をガーっと刈って、終わったら
蕗を収穫して茹でたり、よもぎを天ぷらにしたり。
庭の草でちょっとした薬や化粧水もつくっています。
草刈りをしながら、これはあれに使えるな、これに使えるな、と
考えながらあとで拾うというやり方です。
たとえばあの強烈な匂いを放つドクダミ。
ドクダミはかなり繁殖力が強いので、
あっという間に庭の広範囲を覆ってしまいます。
それを草刈機で一気に刈りあげたあと、
ごっそり収穫してチンキをつくります。
チンキというのは、薬草をエタノールに浸けて
成分を抽出させた液体のことです。
ドクダミは5月~6月頃に白い花をつけるのですが、
花が咲いた時期のドクダミが一番薬効が強いとされています。
つまり、一番草刈りが必要な時期と重なるのです。
以前はチンキをつくるためにドクダミを手で刈っていたのですが、
少し面倒に感じていました。
それを、草刈りをしたついでにつくるようにしたら、
とても楽になりました。