Page 5
迎えた2021年。いつもは別々に正月を過ごしている、
下田に移住してきた夫の母も一緒に、家族4人でお節を囲みました。
紅白なますは、母の手伝いをしながら教わった一品。大根はにんじんより細く、太すぎると食べづらく細すぎると歯応えがなくなってしまうと。塩をふってから寒い廊下にひと晩置いておくのが母のやり方。
いつもは買ってきたお餅で雑煮をしますが、今年はカメ兄さんにいただいたお餅を。やわらかくて甘くておいしい。
そして、娘とともに着物を着て、近所の神社へ家族でお参りに。
実は、この正月、母に私と娘の着物姿を披露したいという思いから
昨年、着付けを習い始めたのですが、
残念ながらそれは叶いませんでした。
そのかわりに、神社で撮影した写真をプリントして母に郵送しました。
すると、弾んだ声で電話がかかってきて、母はとても喜んでくれて、
その母の声を聞いたらようやく気持ちが落ち着きました。
叶わなかったこともたくさんあるけれど、
初めて気づいたことや初めてできた経験もあったんだと。
祖母の着物を整理してみると、なんと黒船来航が描かれた帯が。下田がとても好きだった祖母、この帯を見て気に入りすぐに購入したのだそうです(祖母はもう亡くなっており、伯母がそのときのことを教えてくれました)。自分たちがその後、まさか下田に移住するなんて、本当に不思議な縁です。
大晦日には紅白を見て興奮していた娘、
きっと心の奥で寂しさを感じながらも母と共にきばってくれました。
今年の年越しはどうか、おばあちゃんと孫が
会える状況になっていますように。
そのために、ひとりひとりができる限りのことをするしかない。
会いたい人に、会いたいときに会いに行ける日が、
一日も早く取り戻せるように。
義母と一緒に下田のホテルで正月ランチを。今年は私たちと一緒に過ごし、「たくさんおいしいもの食べて、たくさん楽しい時間を過ごせた」とのこと。