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廃校になった学校はどうなる?
少子化の進む地方の現実と
廃校利用の可能性|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.097

Page 4

具体的な事業アイデアも

少し話がそれますが、11月に首都圏の企業人や起業家を下田に招いた
「地域の課題をビジネスの力で解決する」というテーマの合宿が
市内ワーケーション施設〈LivingAnywhere Commons〉にて
行われました。

合宿中は参加者が、まち歩きなどの地域フィールドワークを行いながら、
自治体・住民・地元企業へのヒアリングを行い、
課題解決事業をプランニング。
そして、最終日に自治体や地元企業を前に
事業アイデアをプレゼンテーションし、
地元との合意があれば実施に向かって協働する、という企画です。

その参加者のひとり、東京の準大手ゼネコンの社員の方から
「移住者として感じる下田の魅力や問題点などを
ヒアリングさせてほしい」と連絡を受け、
まちのためになることはできる範囲でやっていきたいと思っているので
お会いして話をしました。

そのときに地域の課題として伝えたのが、
この中学校廃校後の利用方法が決まっていないこと。
ゼネコンとしてこの地域でできる課題解決を考えていた彼にとっては
ちょうどいいテーマだったようです。

偶然にも彼の所属するゼネコンは、廃校となった小学校を
自社の研修施設としてリノベーションした実績もありました。
さらには、ロケーションの良さから、廃校の利用方法に
さまざまな可能性を感じたようで、最終日のプレゼンテーションでは
廃校利用のアイデアを発表していました。

プレゼンの様子

プレゼンテーションの場には地域のテレビ局も。この合宿は2回目の開催で、1回目の開催ではこのイベントをきっかけに地元に法人ができるなど、アイデアをプレゼンするだけでなく実施につながっています。

事業アイデアとしては、廃校となった中学校を、
「防災」と「仕事」と「教育」の機能を持つ場として、
彼の所属するゼネコンがリノベーションして運営していく、
というものでした。
「防災」の拠点としての機能は維持する、という点に
地域住民としても安心感を得ました。

とはいっても、あくまで事業アイデア。
いまのところ、そのアイデアが具体的に進んいるというわけでもなく、
可能性のひとつとしてあるということです。
ほかにもいくつかの廃校利用のアイデアなり動きがあると。
実際にどのような方向に動き出すのかは、
いまのところはわからないそうです。

地域の新しい魅力となるような廃校利用となるのか否かは、
これからの動きにかかってくるのでしょう。
地域住民としても、どのような事業主が
どのようなプログラムで運営をしていくことになるのか? 
注視していきたいです。

海沿いを娘と散歩中

地域の課題を考えると立ちはだかる人口減少問題。なぜ減るのか? その大きな要因が子どもたちが進学を機に下田を離れて帰ってこないからのようです。では、子どもたちが帰ってきたくなるような魅力的なまちにしよう、という活動に誘われて参加しています。地方にいても情報やモノは都会にいるのと変わらずに手に入るこの時代、子どもはいままでの「都市ー地方」の感覚とは変わってきそうです。