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昨年購入した水中カメラと、
撮影用に今年購入したウェットスーツに身を包み準備万端。
先に漁を始めていた漁師さんを急いで追いかけ、
まずは漁の一連の動作を眺めます。
その後、潜っていく漁師さんについて自分も潜ろうとするのだけれど、
初心者すぎるゆえ思うように動けない……。
ので、今回はほとんど海面からしか撮影できませんでした。
息を静かに整えてから、一直線に
海底めがけて潜っていく姿がまず美しい。
いままで培ってきた経験から
「あのあたりにアワビがいるだろう」という予測をたて、
貝を探し当てます。
時には海底の大きな石をゴロンとひっくり返したり、
危険を察して岩にへばりつくアワビを先の尖ったノミで剥がしたり。
実際に素潜りしてみるとわかるのですが、
水圧がかかった状態で息を長くとめ、
さらにハードに体を動かすというのは並大抵のことではありません。
実際、漁師さんも水面でひと休みしながら
「は~疲れた、しんどい……」と漏らしていました。
いままで漁をしてきて危険を感じたことは? と聞くと、
「岩と岩のあいだに体がはさまって抜けなくなったことがあったかな~」
と……。怖すぎるじゃないですか……。
けれど、それも経験を積んでいれば
冷静に危険を回避することができるらしく、ことなきを得たそうです。
初めて撮影させてもらった潜り漁。
思うような写真が撮れない悔しさは残りましたが、
とにかくいままで見たことのない光景にひたすら感動しました。
「こんなふうにしてサザエやアワビをとってくれていたのか……」と。
「潜り漁を初めて見て、すごく感動したよ~」
と漁師さんにお礼を伝えると
「僕も自分が漁してるとこ初めて見たよ」と、
少しうれしそうな声色でした。
もっと潜れるようになって、いい写真をたくさん残したい。
来年の夏が待ち遠しいです。