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下田で暮らすようになってから、
以前はあまり意識していなかったことに気づくようになりました。
それは、農作物や魚介類などの食べ物が
季節や天候ととても密接に関わっているということ。
当たり前といえば当たり前なのですが、
スーパーでなんでも手に入る便利な暮らしをしていると、
ついその感覚を忘れがちです。
下田で暮らし始めてから通うようになったのが農産物直売所。
地元の農家さんが店に直接卸しているので
旬の野菜しか並ばないうえに、
天気が悪い日には入荷が減り品薄になります。
まちの魚屋さんでは時化(しけ・風雨のために海が荒れること)が続くと
ショーケースはすかすかになり、お刺身の盛り合わせをお願いしても
「今日は魚がないからできない」と断られる。
食材の先をたどれば農家さんや漁師さんがいる、
そんな当たり前のことに少しずつ気づかされています。
たとえば下田の夏を代表するアワビやサザエ、とこぶしなどの貝類。
私は幼少期の頃から夏になると下田に海水浴に来ていたのですが、
そのときのメインイベントは貝類を食べることでした。
祖母はアワビがとても好きで、
うれしそうに頬張っていた姿が記憶に残っています。
けれど、この貝類がどうやってとられたものなのか知らずにいたのです。
下田で暮らすようになってからは、
なんと漁師さんにサザエやアワビをいただくこともあります。
そしてこの夏、いままで見たことのなかった
貝の潜り漁に同行させてもらったのです。