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〈くーさんの焙煎所〉
河津町に移住し、小さなカフェと
藍染工房を開いた夫婦|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.088

Page 2

わが家とも共通点のある移住夫婦

かのぼること4年前。
わが家が移住を考えて模索していた頃、ちょうど同じタイミングで
東京から地方への移住を考えているご夫婦と出会いました。
久城雅文さん、敦子さんです。

当時通っていた料理教室で知り合ったのですが、
お互いに移住を考えていたこともあり、いろいろと相談し合う仲に。
そして1年間の料理教室が終わったあと、
わが家は三重県に移住し、久城家は岡山県に移住しました。

ところがいまわが家は伊豆下田に、
久城夫妻は隣町の河津で暮らしています。
お互いに別の土地でいろいろと経験した後、
当初は想像していなかった伊豆に、
そしてまさかのご近所さんになったのです
(わが家の経緯は、過去の連載に綴っています)。

さらに先月、久城夫妻が河津の自宅を改装して
小さなカフェと藍染工房を開きました。
東京から岡山へ、そして河津へ移住して、その1年後に開いたお店。
自分たちで一歩一歩暮らしをつくりあげていく久城家を、
今回はご紹介します。

キッチンに立つ久城夫妻

カフェ〈くーさんの焙煎所〉のメニュー

アイスコーヒー

藍染をする久城敦子さん

久城夫妻は、4年前まで東京で暮らしていました。
移住したきっかけをうかがうと、ふたりとも海や山が好きで、
自然豊かな場所で暮らしたかったというのがひとつ。
さらに敦子さんには地方への特別な思いがありました。

敦子さんが生まれ育ったのは千葉県の新興住宅地で、
その後も長く東京で暮らしていました。
地方に行くたび、都市部では経験したことのない
地域のコミュニティやお祭りなどに触れ、
そうした伝統的な暮らしに強く惹かれたのだそうです。

藍染のストール

敦子さんの手によるストールなどの藍染。

2017年に東京を離れ、一度は雅文さんの実家に近い
岡山県に移住したご夫婦。
敦子さんは県内にある布織と染織の学校に通い、
雅文さんは電気工事関係の会社に勤め始めました。

2年ほど岡山で生活をしてみたのですが、
どうもここでの生活が合わないと感じたそうです。
「どんなところが合わなかったの?」という質問に、
いろいろと経験したことを話してくれました。

そのうちのひとつが
「本当は自然のある場所での田舎暮らしがしたかったのですが、
学校に通う都合でまちなかで暮らしていたんです。
そのせいか、なぜか人との縁がまったく広がらなかったんですよね」
という話。

私も移住を経験しているので、知らない土地で暮らし始めるうえで
人の縁に恵まれるかどうかがかなり肝になると感じています。
さらにおふたりとも仕事や学校がかなりハードだったそうで、
心身ともに疲れきってしまったのだそうです。

焙煎中