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伊豆の海に260メートルの巨大風車!?
大規模再生可能エネルギー事業計画に
地域住民が思うこと|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.071

Page 2

再生可能エネルギーへの転換は
歓迎すべきことだけど……

風15号、19号で被害を受けた地域の方々には
あらためてお見舞い申し上げます。
ここ伊豆下田も、屋根、壁が飛んでしまった建物も多く、
そして、停電が長く続いた地域もありました。

下田の海。遠くには灯台が

特に海沿いの地域には強い風が吹き、被害が大きかった。自然は美しくも厳しい、そんなことを痛感します。

わが家も停電しましたが、消えては点いてを何度か繰り返す程度で、
そこまで事態が深刻にならずで、本当にホッとしました。
また、水が数日間止まった地域もあったようです。
倒木による通行止めは各所で発生していました。

そんなこともあり、この台風という「自然」の脅威を目の当たりにして、
普段あたり前に使っている「電気」「水」「道路」という
インフラの重要性を感じます。
そんな時期に、まさにその「自然」と「電気」について
考えさせられる計画が持ち上がり、
小さなまちの大きな話題となっていました。

それは伊豆半島の南、下田市とお隣、南伊豆町の沖合での
「洋上風力発電事業」の計画です。

今回は、そんなキッカケにより、あらためて考えるようになった
自然と電気、都市と地方についての話です。

白い砂浜

当初、この計画を知ったときはこう感じました。

個人的にも、化石燃料に頼りすぎる暮らしはしたくない、と、
それなりに気を使ってきたつもりです
(ペットボトルやコンビニ弁当はなるべく買わない、
無駄な電気は使わないようにはしています。
といってもガソリンで動く車やバイクには乗ります。
家電やIT機器がなければ暮らせません。
日常の範囲でやれることはやろうというレベルです)。

地球温暖化がこれだけ顕著になっているこの時代、
その原因のひとつとも言われるCO2排出を減らすために、
「化石燃料」での発電から、太陽光や風力での発電、
つまり「再生可能エネルギー」「自然エネルギー」に
転換していくことは歓迎すべきことなはずだ、と。

下田の湧き水スポット

この連載では何度かお伝えしていますが、移住してから湧き水暮らしをしています。お陰でほとんどペットボトルを消費することはなくなりました。災害での断水のリスクもあるこのご時世、湧き水があるというのは心強いです。

でも、よく調べて、よく考えてみると、
この事業をただ再生可能エネルギー・自然エネルギーだからと
闇雲に歓迎するのはいかがなものか? とも感じるようになりました。

夕暮れの海

写真提供:猪又留美

きっと、移住せずに東京で、またはほかの都市で暮らしていたならば、
伊豆の海での洋上風力発電事業を地球温暖化対策のひとつの動きとして、
何の疑いもなく歓迎していたと思います。

ところがいまは、その事業が計画されている海があるまちに
暮らしているのです。
その感じ方は随分と違うのかもしれません。

洋上風力発電計画を報じた新聞紙面

2019年8月27日付の伊豆新聞