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「カメラマンときどきパン屋」
という働き方は実現可能? 
移住一家の1か月の収支から考える|Page 5

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.029

Page 5

自分に無理なく、家族に無理なく暮らしたい

カメラマンの仕事は月に1、2度東京に出かけ、
ときどき下田での撮影もさせてもらう、というペースです
(先日この連載で書いた『伊豆下田100景』の記事がアップされました。
写真・文を担当しています)

ときどきパン屋をやったとしても、
夫婦合わせて30万という壁はクリアできそうです。
なるべく好きなことに時間を使って(好きな仕事をするということも含め)、
自分に無理なく、家族に無理なく暮らしたい。

無理なくといえば、先日あるママ友がこんなことを話してくれました。
「私たち家族は必死に働くつもりはないんです。
できればラクに稼いで自由に暮らしたいんです」

彼女の言う自由というのは、家族と過ごす自由な時間を持てるという意味。
それにしても、ラクとか自由にとか、
なかなかそう言い切る人も少ないですよね。
「仕事がんばってます!」とか、「真剣に働いてます!」
というスタンスがよしとされている空気がなぜか世の中に流れていて。
そんななか、彼女のそのストレートな言葉はとても印象的でした。

作家、灰谷健次郎さんの著書『天の瞳』では、
主人公の祖父がこんなことを話しています。

「仕事は深ければ深いほど、いい仕事であればあるほど、
人の心に満足と豊かさを与える。人を愛するのと同じことじゃ。
ひとりの人間が愛する相手は限りがあるが、仕事を通して人を愛すると、
その愛は無限に広がる。そうして生きてはじめて、
人は、神さまからもろうた命を、生き切った、といえるのじゃ」

パンのイベントを通じて、あらためて働くということを考え始めています。
東京の友人に
「仕事って、働くって、どういうことなんだろうね」と投げかけると、
「テツカが定義したら、それが正解なんじゃない」と返されました。

今年の4月から娘は小学校に上がります。
娘の通う小学校に学童はなく、14時には帰宅します。
私は働くということをどう定義するのか。
答えをまだまだ探しているところです。

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Table TOMATO

住所:静岡県下田市1-11-18

Web:https://facebook.com/TableTOMATO/

文 津留崎徹花