兵庫県は、日本海と瀬戸内海の二つの海に面し、港町の文化と山あいの素朴な暮らしが共存する土地です。海と山に囲まれた豊かな自然の中に、城下町や温泉地、異国情緒あふれる街並みなど、多彩な風景が広がっています。古くから交通と交流の要衝として栄え、さまざまな文化や人々が行き交ってきました。異なる風土と歴史が重なり合い、土地ごとに個性豊かな魅力が息づいています。
港町として異国の文化を受け入れながら、独自の美意識を育んできた兵庫。その中でも芦屋は、六甲山と大阪湾に抱かれた穏やかな環境と、本物にこだわる気風によって、時代を超えて表現者やクリエイターを惹きつけてきた街だ。ファッションデザイナー・コシノヒロコが自邸を構えて40年以上、この場所を選び続ける理由もそこにある。根を下ろした人々の言葉を手がかりに、「憧れの街」が育んできた価値観と現在地を辿る。