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なぜ移住? なぜ下田?
若者に伝えたい
「東京ではできない暮らし」|Page 5

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.143

Page 5

移住して経済的にはどう?

仕事の面でも、観光地下田ならではのワーケーション施設の運営や
地域の関係人口創出事業などに関わらせてもらって、
ある程度の収入を確保できています。

もちろん東京で会社員をしていたときに比べると収入的には激減、
半分以下ではあるのですが、
ローンも家賃もないし、
休みの日には近くの海で遊べば十分すぎるほどに楽しいし、
米づくりをしているので米を買わなくなったし、
誰かにちょっとした手土産というのは
だいたい米や庭でとれる果実を渡すようになりました。

ただ、米づくりに関しては経済的な負担減というより、
充実感を味わえる点にメリットを感じています。

透明度の高い爪木崎の海

こちらは自宅から車で10分程度、景勝地としても知られる爪木崎の海です。シュノーケリングが楽しめます。近所のこの美しい海でシュノーケリング……なんとも贅沢です。

袋詰めされた自家製米

自家製米は手づくり〈つる米〉スタンプを押して渡しています。これほど手間と愛のこもった、そして誰もが消費するので邪魔にもならない手土産はない! と自信をもって渡せるのがうれしいです。手土産のために何かを「買う」というのがほとんどなくなりました。

田んぼ作業中の津留崎さん

田植えも稲刈りも草取りも手作業。無農薬の米づくりではかなりカラダを酷使します。もうすぐ50になるのですが、そんなカラダの使い方をしていることもあり体型はキープしています(髪の毛はどこかにいってしまいましたが……)。都市部の暮らしだとお金を使ってジムに行き体型をキープしたりするそうですが……まったく無縁の世界です。

そんなこんなで、下田に移住してきて
「消費するだけの暮らし」から「つくる暮らし」へと
シフトしています。
でも「つくる暮らし」というにはあまりに中途半端かもしれません。
米をつくってはいても、
野菜や肉・魚、卵などは基本的に買っています
(野菜や魚はありがたいことによく頂きます)。

『疲れた……今日ご飯つくるのめんどくさい』って日には
近くの牛丼チェーンで食事をすませることもあります。
エネルギーに関しても、
薪ストーブや太陽熱温水器で家庭で使用するエネルギーの
ほんの一部をまかなうことができるようにはなりましたが、
自給しているわけではないです。

リノベーションしたリビングで津留崎さんの奥さんと娘さんが食事の準備中

当初目指していた、ストイックな「つくる暮らし」には
ほど遠いですが、これが自分たちらしい、
下田らしい「つくる暮らし」だと感じています。

ということで、最近、若者たちに向けてお話させてもらう、
「なぜ移住? なぜ下田?」について書いてみました。
これを読んで、都市部から移住したくなっちゃった人、
Uターンで地元に帰りたくなっちゃった人がいたらうれしいです!