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さて、いよいよ本題、今回の旅。
居心地のよさに後ろ髪をひかれる思いで岡山を出発したわが家。
次なる目的地は徳島、淡路島です。
穏やかな瀬戸内海にかかる瀬戸大橋を渡り、香川県を経由して、
漠然と移住候補地として考えている徳島、そしてさらに橋を渡り、
淡路島に行く予定です。
橋を渡れば、そこは漠然と移住候補地と考えていた
徳島と淡路島という状況になり、移住先の条件と照らし合わせてみると、
なかなか厳しい……という気がしてきました。
何をいまさら、という感じもしますが、
わが家は昔から無計画でここまでやってきました。
実際に足を運んでみないと納得できないという、
なんとも遠回りな性分なのです。
まず引っかかるのは、東京からのアクセス。
徳島に車で行くととすると、淡路島経由で行くことになるようです。
淡路島の神戸寄りのエリアでも、
東京の杉並から車で渋滞なしで6時間かかります。
東京から名古屋、京都、大阪、神戸という大都市を経由するルートで
一度も渋滞に引っかからないというのも考えにくいので、
6時間以上は確実にかかるのかと思います。
朝出て昼過ぎに着く感じではないのかもしれません。
では、なぜ、漠然と移住候補地として考えていたのかといいますと、
知人が住んでいて、彼らの情報から、
「移住するのにはよさそうなところだ」と惹かれていたのです。
同じく岡山や小豆島、九州にも知人がいるのですが、
ちょっと遠すぎるかなと思い、移住候補地からは外していました。
でも、あらためて調べると、徳島と岡山だと、渋滞なしで7時間で、
ほとんど同じくらいということがわかりました。
完全なる思い込み。我ながら呆れてしまいます。
ということで、移住候補地の条件を整理してからは、
徳島・淡路島は一旦外そうということになりました。
といっても、この旅は移住候補地を巡るだけでなく、我々が目指すような
暮らしをしている人たちを訪ねることも主題のひとつなのです。
そんな人々を訪ね、徳島と淡路島を巡りました。
まず徳島では以前、妻がお世話になった東みよし町の
民宿〈うり坊〉を訪ねました。
こちらの宿の売りは、自家栽培の野菜やその野菜を使った保存食、
そして獣害駆除の目的でご主人自ら狩猟し、
丁寧にさばいた猪や鹿の肉を使ったジビエ料理。
猪や鹿はさばき方でその臭味や旨さがかなり変わってくるとは
聞いたことがありますが、それを実感するような旨さなのです。
ご主人に、移住したら米や野菜を自給したいとお話ししたところ、
「猪や鹿はどこの地域でも獣害で困っているのだから、
狩猟して、肉も自給しなさいよ」とアドバイスをいただきました。
確かに獣害で困っている現状からすると、
その狩猟には大きな意味があります。
そして、丁寧にさばけばとてもおいしくいただけるのです。
狩猟されてもそのまま野山に
捨てられてしまうこともあるという現状を考えると、
命を大事にするという観点からもとても意義のあることです。
都会育ちの自分にできるのかという不安がないといえば嘘になります。
でも、自給自足を目指すのであれば、その境地までたどり着きたい。
ご主人とビールを酌み交わしつつ、そんな思いを抱いた
有意義な夜となりました。