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エコビレッジ実現へCGLが大切にする「過程」
後編

NANTO CITY × REBIRTH PROJECT
vol.007

posted:2014.6.11  from:富山県南砺市  genre:活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  世界遺産もあり伝統工芸も盛んな富山県南砺市と、
リバース・プロジェクトが組んだプロダクトの共同開発やエコビレッジ構想が始まった。
地域にまたひとつ新しい種がまかれる、その実践をレポート。

editor's profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

エコビレッジへの市民参加を後押しする。

南砺市のなかでも、桜ヶ池エリアのエコビレッジ化を推進すべく、
クラウドガバメントラボ(CGL)主催の「桜ヶ池アクションプラン ワークショップ」が
南砺市城端庁舎で開催された。

田中幹夫市長の開会の挨拶に続いて、
まずはリバースプロジェクトの谷崎テトラさんによる
「世界のエコビレッジの紹介と南砺版エコビレッジの方向性について」の講義。
さらに同じくリバースプロジェクトの上保大輔さんによる
「基本理念を具体化するための数値目標」の講義が行われた。

そのあとに行われたのは、参加者がテーマごとに6つのグループに分かれて
「数値目標を実現するため」のワークショップ。
数値を無視すれば夢を語ることはできるが、
エコビレッジという枠組みのなかで南砺の現状を数値的にも把握し、
どういう数値にしていきたいのか。
自分たちの意見を出して、より実務的に考える合意形成のワークショップとなった。

「市民が、地域の数値を目の前にして、
それをどうしたらいいかと、真剣に考える機会は少ないと思うんです。
言いっ放しにならないことも、とても魅力的ですね」(伊勢谷さん)

1枚の白く大きな紙にみんなで書きこんでいく手法。

各グループでは、真剣な議論が行われていた。
目の前の用紙に、どんどん新しい課題や目標、アイデアが書き込まれていく。
最初はおとなしかったグループも、
自分たちの住んでいる地域となると他人ごとではない。

田中市長もこのやり方に賛同する。
「われわれがすべてを段取りして“こんなものどうですか?”と提示するよりも、
これからの時代は、みんなで知恵を出し合って、
“あなたもやってください、僕もやりましょう”というかたちにしていかないといけません。
そうすれば、市民もこの事業を成功させなければならないという気持ちが
高まってくるわけです。そこにいかに参画してもらうか。
今は協働が当たり前なんです。
家族、ご近所、いろいろなひとの助け合いがないとできない話で、
まずはこの小さなエリアから考えていきたい」(田中市長)

伊勢谷友介さんも参加して、市民とともに話し合った。

今回のエコビレッジ構想自体はとても重要なものだが、
それを考える過程において“市民が政治に参加すること”と、
“参加してもいいもの”であると促すことも大きな目的だ。

「市民全員が議会と一緒になって話し合うのは物理的には難しいですが、
今回立ち上がったエコビレッジ構想が広く発信されることによって、
市民は何かを考え始めて、動き始めるかもしれません。
それを期待しています」(伊勢谷さん)

「同じ南砺市でも、
雪が多かったり、川のそばだったり、山だったり、と環境はバラバラ。
だから地域それぞれの違った問題があるので、その地域で考えたほうがいいはずです。
それを“地域内分権制度”と呼んでいます。もちろん行政も一緒に考えます。
今回のエコビレッジ構想をモデルとして示しながら、
いまあるそれぞれの地域にもヒントを与えたい。
そうやってつなげていくことが大事だと思っています」(田中市長)

さらには、エコビレッジ構想の仕組みを全国へ広げることも可能だ。

「これまでは、国や県がつくったメニューに、
地方自治体が乗るか乗らないか、というやり方でした。
しかし今は、小さな市町村がみずから考え、つくり上げていかなくてはなりません。
すでに、これまでの国や県と市町村という関係から、
市と町、市と村、市と市という市町村連携の横展開に移ってきています。
都会や新興住宅地などではまだ難しいと思うので、
地方からエコビレッジ構想をきっかけにした
市民参加のモデルを広めていきたいです」(田中市長)

「まだローカルには少しエコビレッジの種が残っています。
CGLでも地方から中央に伝えるかたちを常に考えています。
民間が政治に参加するというかたちも、やはりローカルが一番最初に具現化できます。
そのフォーマットが伝播していって、そのたびにブラッシュアップされていけばいい。
政治が誰かの特権ではないということをグローバルに伝えていくことが、
これからのローカルの役目になってきていると感じています」(伊勢谷さん)

地方にエコビレッジのような個性的な地域がたくさん生まれれば面白い。
それを考えつくっていくのも市民の役割だ。
南砺のエコビレッジ。完成も、その過程すらも楽しみだ。

グループに分かれて行ったディスカッションを最後に発表する。短い時間ながら、課題と解決策を見出そうと熱を帯びたワークショップとなった。

クラウドガバメントラボ

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