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エコビレッジ実現へCGLが大切にする「過程」
前編

NANTO CITY × REBIRTH PROJECT
vol.006

posted:2014.5.29  from:富山県南砺市  genre:活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  世界遺産もあり伝統工芸も盛んな富山県南砺市と、
リバース・プロジェクトが組んだプロダクトの共同開発やエコビレッジ構想が始まった。
地域にまたひとつ新しい種がまかれる、その実践をレポート。

editor’s profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

南砺市長と伊勢谷友介が考えるエコビレッジの姿。

リバースプロジェクトの取り組みのひとつ、クラウドガバメントラボ(CGL)。
誰かに任せる民主主義から、参加型民主主義への転換を目指している活動だ。
その一環として、南砺市でのエコビレッジ構想に協力している。

CGLの伊勢谷友介さんと南砺市の田中幹夫市長の対談が実現した。
伊勢谷さんから見た市長の姿は、既存の首長のイメージとは違っていたようだ。

「何度か南砺市を訪れ、田中市長にも会っていますが、
すごく気さくですよね。市長がいると、みんなが“市長!市長!”と呼んで、
市長は“わ〜っ”と話して場の温度を1、2度上げて去っていく。
ひとを巻き込み、市民に接しながら時代をつくっていくような人が、
これからの首長の姿なのだと実感しています」(伊勢谷さん)

「そうですね。先頭に立って引っ張っていくのがリーダーであって、
車の上から命令するような時代ではありません」(田中市長)

「僕もリバースプロジェクトの代表をしていますが、
最近、リーダーなんてものはただの役職のひとつだと思っているんです。
うちでいえば、ケータリングをするひとたち、家具をつくるひとたち……、
その横にファシリテーター的なリーダーがいればいいと思っています」(伊勢谷さん)

「昔の行政は要望がくれば、それにうまく応えていればよかった。
でもそれは違うと思います。この地域をどうデザインし、どう考えていくのか。
いろいろなひとの話を自分の耳で聞いて、
市民が総じてどう幸せになっていくのかを判断しなくてはなりません。
とにかく南砺市民を幸せにすること、
市民の価値を高めることが私の仕事ですから」(田中市長)

ふたりとも思わず前のめりになるほど、伝えたいことがたくさんあった。

南砺市のまちづくり基本3原則は「情報共有」「市民が主体」「協働」である。
そして、CGLの3つの原則もまったく同様に
「政府・政策・情報の透明性」「市民参加」「政府間及び官民協力」だ。
その点でも、南砺市とCGLは思いをひとつにする。
これらを軸として具体的にまちづくりを実行していく先にあるものが、
エコビレッジ構想だ。

「我々の豊かな未来というのは、懐かしい過去にあります。
家族3世代の暮らしから、核家族化し分散していきましたが、
はたしてこれは幸せなのか?
それに対して40年くらい前の暮らしは良かった。
不便を選ぶわけではありませんが、地域で協力し合って暮らしていた点は見習いたい。
そうすれば、世界がどう変わろうが、政変が起ころうが、世界経済が急変しようが、
我々の暮らしはきちんと持続できます。そんな新しいエコビレッジをつくっていきたい」
(田中市長)

そのようなエコビレッジ実現のために、CGLができることはその過程にある。

「私たちCGLが協力できるのは、定義付けすることではなく、
実現に至るプロセスにあると思っています。
市民のみなさんがエコビレッジというビジョンに対して、
自分の意見を言えるかたちをどうつくるか。そして議論することで課題をもっと知っていく。
そうなることが、僕らの理想です」(伊勢谷さん)

そのために具体的に行ったのは、
南砺市で開催されたCGL主催による合意形成ワークショップだ。

「もちろん完璧な答えなんてありませんし、僕たちはたたき台を提示して、
まずはそれについて議論していくというものです」(伊勢谷)

その様子は次週公開の後編で紹介する。

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