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〈ハギノベーション「論」〉
の始まり。

HAGInnovation
vol.001

posted:2012.1.10  from:山口県萩市  genre:活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  俳優・映画監督の伊勢谷友介率いるリバース・プロジェクトと山口県萩市がコラボレーション。
萩から日本を元気にするプロジェクトを追います。

profile

Masayuki Sawada

澤田真幸

さわだ・まさゆき●東京生まれ。幼少期より国内外を転々とし、現在は東京在住。ジャンルはとくに問わず、面白ければオールOKのスタンスでライター稼業を邁進中。旅好き。仕事でもプライベートでも、ここではないどこかに行けるならどこへでも。

credit

撮影:Suzu(fresco)

〈ハギノベーション「論」〉開塾式

山口県萩市。日本海に面したこの風光明媚なまちは、
吉田松陰や高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文ら
近代日本の夜明けに尽力した志士たちを数多く輩出したことで知られ、
市内には松下村塾をはじめ関連の名所旧跡がいくつも残り、
それらを目当てに全国から観光客がやって来る。

しかし、残念ながら主要産業である観光業は年を追うごとに衰退傾向にあり、
それに伴って若者の市外流出は増加の一途をたどり、
昨今の地方都市の例に洩れず、過疎化や高齢化の問題に悩まされているという。
そうした事態を憂えた萩市では、
先達の志士たちのように強い志と誇りを持って行動する人材を育てるために、
“現代の松下村塾”ともいえる「萩・維新塾」を2007年よりスタートさせた。

これまでの「萩・維新塾」は、
全国から受講者を募って萩の歴史や文化を学ぶカルチャー講座といった趣だったが、
2011年は伊勢谷友介率いるリバース・プロジェクトと
コラボレーションするかたちで、初めて受講者を萩の若者世代だけに限定し、
彼らとともに新たなまちづくりを考える地域再生プロジェクト、
その名も《ハギノベーション「論」》としてキックオフすることになった。
ちなみに「ハギノベーション」とは、
“萩”と“イノベーション”を組み合わせた造語である。

そして2011年5月21日、リバース・プロジェクトのメンバーと塾生30名、
さらには野村興児市長をはじめ萩市の関係者が一堂に会し、
松下村塾を会場にして開塾式が行われた。
その中で伊勢谷代表は、1992年にリオデジャネイロで開催された環境サミットで、
当時12歳だったセヴァン・スズキという少女が行った伝説のスピーチを朗読し、
「やらないことの言い訳をするのではなく、実行することの大切さ」を切々と語った。

かつて吉田松陰は、松下村塾に集った若き志士たちを前に、
人生において最も大切なことは志を立てることだと語り、
私利私欲を除いた心で、いったい自分がこの世で何ができるか、
何をすべきか真剣に考えなさいと説いた。
そして講義の際には、必ず世の中で起きている実際の問題と関連づけて、
みなで議論したという。

現代の松下村塾を目指し、のべ8カ月にわたって討論を重ね、
新たなまちづくりの可能性を模索してきた《ハギノベーション「論」》。
本連載では、彼らの具体的な取り組みを振り返りながら、
その成果についてもレポートしていきたいと思う。どうぞお楽しみに。

まだ緑が残る山口県萩市で、《ハギノベーション「論」》が開催された。

松下村塾での開塾式にて、マイクを握る伊勢谷代表。その隣に座るのは野村興児萩市市長。

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