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未来を創るニッポンの現場
そこに生きる人々が語る言葉とは?

KAI presents EARTH RADIO
vol.045

posted:2013.5.9  from:全国  genre:活性化と創生

sponsored by 貝印

〈 この連載・企画は… 〉  俳優・伊勢谷友介さんと放送作家・谷崎テトラさんが、“未来を作る日本の現場”を求めて、
さまざまな土地を巡りる「KAI presents EARTH RADIO」。
1年間にわたる取材の中から、印象的なフレーズをピックアップ!

editor profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

今まさに未来をかたちづくっている現場で。

2012年5月から2013年3月までお送りした
「KAI presents EARTH RADIO」3rdシーズン。
日本全国さまざまな場所をめぐり、
多角的なアプローチで“日本の未来をつくる現場”を取材してきた。
そこで、各地のキーパーソンの、まちづくりや生き方のヒントとなる言葉をお届けする。

key phrase 01

「表面は漆喰、中味は藁と土でできた、ストローベイルという工法です。
この藁と土と漆喰のつながりがとても大切。
つながりを分断して競争してマーケットを置く。これが資本主義の生き方です。
それより、つながりを持ってお互いを生かし合うほうがいいですよね」

「長野 安曇野」編 臼井健二さん

自然素材を生かし、パーマカルチャーを実践する臼井健二さん。
エコロジカルフットプリントやパーマカルチャーの実践的な手法を教えてもらいながらも、
そこから導き出されるのは、人間のあり方という哲学。
ひとと物質と哲学と、分断して考えるのではなく、
すべては密接に繋がりあって生きている。
それを臼井さんはやさしい笑顔で説く。
そして話し込んでいくと、結論が“愛”に到達する、慈愛に満ちたキャラクターだった。
食事もおいしい、テラスも風が気持ちいい。
小高い山の中腹に建っているので、景色も最高。願わくば、次は夏に行きたい。

key phrase 02

「縄文杉は、木材としては使えない江戸時代のクズなんです(笑)。
クズだから命拾いして生き残れた」

「鹿児島 屋久島」編 松本 毅さん

いまとなっては屋久島を訪れたひとのほとんどが、写真におさめようとする縄文杉。
しかし江戸時代には
屋久杉は木材としてかなりの数が伐採されていたという過去があり、
縄文杉はゴツゴツと節が多く、木材とするにはいい条件ではなかった。
だからこの発言。時代が変われば見方も変わる。
江戸時代にクズでも、今では世界遺産の象徴。
松本さんが屋久島の大自然のなかから見いだした、
視点を変えると新しいものが見えるという話が印象的だった。

key phrase 03

「最初の2年間は、
外に出ない、外を見ない、メディアに出ない。
そして飲み会にはすべて顔を出し、最後まで飲む(笑)」

「島根 隠岐諸島 海士町」編 阿部裕志さん

地域おこし、と呼ばれるような活動が各地で展開され、
その実践にもさまざまな難しさや混乱があるなぁと感じていたころ、
“地域おこし界の雄”ともいえる海士町の取材へ行った。
そこで阿部さんは地域を“起こす”のではなく、“一緒に起きる”と言ってもいい活動をしていた。
とにかく地域に根ざし、何でも屋から始め、地域にあるニーズをくみ取っていく作業。
それが終わるまでは、他に目を向けないという固い意思表示の言葉だった。
あと、イカが最高にうまい島だった。刺し身も丸焼きもサイコー!

key phrase 04

「トランジション・タウン、略してTT。楽しく、つながる」

「神奈川 藤野」編 榎本英剛さん

日本でNPO法人トランジション・ジャパンを立ち上げた榎本さん。
イギリスから輸入したトランジション活動は、
エネルギーや経済、食、環境など多岐に渡り地域の資源を有効活用していく。
という話は漠然としていて、なかなか直感的に理解できない。
そこで「楽しく、つながる」と訳し直した。
どんな活動においても、これからの時代に重要なキーワードである“つながり”。
しかも楽しく。
結局、暮らしはひとであり、つながりたいという気持ちは人間の本質。
藤野の長屋暮らしのみなさんから学んだ、
これからのつながり方のモデルケースは心地よさそうだった。

key phrase 05

「“変えられるものと、変えられないもの”を学んだ。
風の向きは変えられないが、帆の向きは変えられる。
ただ自然に任せて漂流するのでもないし、自然と戦うのでもない」

「高知 梼原・土佐山」編 内野加奈子さん

高知の大自然のなかに学びの場を設けている
土佐山アカデミーのメンバーのなかで、
内野さんは伝統航海カヌー〈ホクレア〉初の日本人クルーだった。
海から山へ、活動の拠点を移しても、自然とともにある生活を送っている。
極限の自然から学んだ、自然との向き合い方は、
構えるのでもなく、流されるのでもない。
自然はすべてを持っていて、それを見つけたり
発見できなくなってしまっている人間の感性をもう一度呼び起こしたい。
いまも昔も自然と寄り添って生きてきた内野さんだからこその、説得力だ。

key phrase 06

「夢というのは、日常を積み重ねているうちに出てくるもの。
日常がないのに夢なんて生まれません」

「京都 亀岡」編 中川誼美さん

まずは普通の暮らしを実践していくことから始めようと訴える中川さん。
その基本となる食事は特に重要だ。
オーガニック、マクロビオティックなどという前に、
そんなに自炊していますか? そこに家族団らんはありますか?
こうした日常を積み重ねていくうちに、夢が生まれるもの。
足もとグラグラのままの夢なんて危ういし、
そもそもそんな状況では夢なんて生まれ得ない。
その揚げ足を取るのが、夢を持てない若者への風当たりの強い風潮だと思う。
夢を語るにも、普通の日常を、
普通にキチッと送ることから始めようというメッセージだ。

【お知らせ】
新「KAI presents EARTH RADIO」は装いを新たに5月14日(火)公開。
ラジオもInter FM(東京・76.1MHz、横浜・76.5MHz)にお引っ越ししてスタート!
次回オンエアは5月28日(火)。どうぞお楽しみに!

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