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私たちが下田で暮らし始めたのは2017年。
その1年後、東京で暮らしていた夫の母も
下田へ移住してきました。
私たちが東京に住んでいたときは、
車で30分ほど離れた場所でひとり暮らしをしていた母。
月に1、2度、私たちが母の家に顔を出していました。
夫は4人兄弟の末っ子で、母親と一番近しい間柄。
お互いに何かと甘えられる存在のようです。
その末っ子のそばで暮らすほうが安心だと、母は移住を考えたのです。
私たちも母がそばにいたほうが安心だし、
小学生の娘にとってもおばあちゃんは心のよりどころになります。
そうした経緯で、82歳という高齢ではあったのですが、
思い切って移住に踏み切りました。
移住して1年経った頃、
母についてこの連載で書かせてもらいました。
それからさらに2年半が経過。
移住した当時の母は82歳、現在85歳です。
下田に移住してみて3年半、いまどんなことを感じているのか。
あらためて聞いてみました。
母に「移住してみて、どんなことを感じていますか?」と聞くと、
「下田に来てよかったよ」と。
その後「まぁ、いろいろあるけど」と。
よかったこともあれば、そうじゃないこともある、
というのが現実のようです。
どんなことがよかったと感じているのか。
「あのまま東京にひとりでいたら、すごく心細かったと思うよ。
いまはどこか痛いとか、具合が悪かった
らすぐに様子を見に来てもらえるし」
母はわが家から徒歩3~4分の借家に住んでいます。
同居しなかったの? と聞かれることもありますが、
母も私たちも自然に別居を選択しました。
そのほうがお互い気を使いすぎずうまくいくと、
みんなが思っていたのです。
近い距離なので、電球の交換や壁掛け時計の電池交換など、
細々したことにもすぐに対応できます。
娘もひとりで歩いて行けるので、
頻繁におばあちゃんの家に遊びに行きます。
「おばあちゃんち、落ち着くから好き」と娘。
ふたりでお菓子を食べながらテレビを見て、
のんびり過ごしているようです。
私と夫の仕事が重なってしまったときも、
母が預かってくれるのでとても助かります。
先日も夜までかかる撮影があり、うちの娘と、
さらに一緒に仕事をしている友人の子どもも預かってもらいました。
さすがにふたりの相手は疲れるのでは? と心配になり
途中で電話をしてみたら、
「賑やかでこっちまで元気をもらえるね! 大丈夫よー」と。
ありがたいです。