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物件を購入することが決まり、
田植えの段取りをそろそろ始めなければという春のある日、
その思いを家族に話しました。すると娘に、
「え? 田んぼやらないの……?
……そんなヒトだと思わなかった」
と、言われてしまったのです。
娘にとって、米をつくるということは、父親である僕が考えるよりも、
とても大きな意味のあることなのだ。そう知りました。
とてもうれしくて、そして、
すぐに諦めようとした自分が情けなくなります。
妻も毎年頑張ってくれてますが、
今年は僕がリノベーションで忙しくなる分、
がんばると言ってくれました。
そんなこんなで、家族に背中を押されてやると決めた今年の米づくり。
田植え前の段取りは、例年になく妻が動いてくれました。
自分が行けないタイミングでも、ちょいちょいと田んぼに行っては
作業をしていたようです。
また、例年になく近隣の方々や友人たちにも力を借りて、
代掻きといった田植え前の作業もこなしていました。
さあ、田植えに向けて準備は整いました。
毎年、多くの友人たちの力を借りながら田植えをしています。
今年は、先に述べた事情もあり、
田植えの日程を組むのが遅くなってしまいました。
また、稀に見る早い梅雨に入り、田植え予定日も数日前までは雨予報。
日程を決めきれずにいました。そんなこともあり、
昨年よりだいぶ参加人数が少なそう、という状況でした。
前々日には曇り予報となり、予定どおり田植えをすることを決定。
そんなに多くの人数が集まらなくても、
集まってくれた人たちで無理せずに昼過ぎくらいまでやって、
終わらなければ別の日にでも、また家族と都合の合う人だけでやって
終わらせればいいかな? そんな気持ちでいました。