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下田の移住者がコロナ禍で考えた
「地方」と「働き方」。
地元高校生に伝えたかったこと|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.095

Page 3

いま注目を集めている「地方」と「働き方」

この連載では何度も書いていますが、
東日本大震災を通じて、日常生活のほとんどの行為を
「経済活動」に依存している状況に疑問を持つようになり、
東京からの移住を考えるようになりました。
この疑問がなければ、東京生まれ東京育ちの自分たちが
「米をつくる!」なんて考えるようにはならなかったと思います。

我が家の朝食

新米を食べる日々が始まりました。娘が学校の行事で開いたアジの干物と妻が田んぼで出る稲わらでつくった納豆で新米をいただく。質素ですが、これ以上ないと感じるほどのごはんでした。

でも、いまの高校生は東日本大震災のとき、
物心つくかつかないかという年頃です。
震災で価値観が変わった世代ではないのでしょう。

でも、まだまだ止む気配のない「コロナ禍」も、
多くの人たちの価値観を変えた出来事といえます。
震災を知らない高校生たちも
コロナ禍には相当の影響を受けたことでしょう。

そんなコロナ禍を経て、注目を集めている
「地方」と「働き方」の話もしました。

コロナ禍(と、同時代的にやってきたITの進歩)で
ガラリと変わった働き方や価値観。
業種によってはテレワークが当たり前になり、
その流れで観光地でテレワークをする
「ワーケーション」(ワークとバケーションを合わせた造語)
という働き方もよく聞くようになりました。

一般的にはコロナ禍をきっかけに注目を集めたワーケーションですが、
ここ下田ではコロナ以前からワーケーションに可能性を見出していて、
昨年にはワーケーション施設
LivingAnywhere Commons IZU-SHIMODA
がオープンしていました。

ワーケーション施設の利用者は都内のクリエイターやフリーランス、
起業家がメインで、コロナ禍になってから利用者数が倍増。
施設の利用者は、半日は仕事をして、半日は観光やレジャーを楽しむ、
というような過ごし方をしているそうです。

シーカヤック

例えば、午前中は仕事で、午後は海でレジャー。そんなことができてしまうのがワーケーションの醍醐味。

また、数年前から注目を集め始めていた「副業」も
コロナ禍によってさらに身近になった働き方といえます。

コロナ禍にあっては、大企業でさえ、
いままでと同じような給料が確保できないという厳しい現実もあり、
副業解禁の動きがあったようです。

また、こうした想定外の状況になると、
ひとつの業種に身を置いているリスクを感じることも多くありました。
収入を補填する意味でも、リスクの分散という意味でも
副業という働き方が注目を集めているのかもしれません。
大企業に勤めていたら一生安泰……
そんな時代ではなくなった、ということなのでしょう。

そして、あらためてこうしたコロナ禍を経て浸透したともいえる
ワーケーションや副業という働き方について考えていて、
気づいたコトがあります。

それは都会ではコロナ禍をきっかけに広がったともいえる
これらの働き方が、ここではコロナ禍以前から
当たり前にある働き方だったという事実です。

サーフィンを楽しむ人