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6月19日、緊急事態宣言解除から少し遅れて、
県堺を越える移動の自粛が解除されました。
ここ伊豆下田では、観光地らしく
県外ナンバーの車がまちにあふれています。
日常を少しずつ取り戻しつつあることにうれしくなりました。
新型コロナウイルス感染症を前にして、
多くの人間の活動が止まっていた、なんとも不思議な数か月でした。
人間以外の自然の営みは、
変わらずに季節とともにその表情を変えていきます。
僕が手伝っている養蜂場〈高橋養蜂〉の作業も、
まさに自然の営みとともにあります。
人間社会が止まっていようが、もちろんミツバチたちは
活動を止めることはありません。
ミツバチの巣の中は、いま人間社会では最も避けるべきといわれている
“三密”ですが、元気に野山を飛び回り蜜を集めています。
そんなミツバチたちが集めた巣の中の蜜が、
春から夏にかけて多く溜まり、「採蜜」という作業を経て、
今年のはちみつが採れました。
それまでコツコツと積み重ねてきた作業が実を結ぶときでもあります。
採蜜とは、巣に溜まった蜜を採取する作業です。
高橋養蜂では年に3回、採蜜をします。
5月、春の終わりに桜と藤の花のはちみつ。
6月、みかんの花のはちみつ。
8月、カラスザンショウの花などのさまざまな夏の花のはちみつ。
先日、みかんの花のはちみつまで採蜜が終わりました。
今年は、天候にも恵まれて、とてもたくさんの蜜が採れています。
と、さらっと書くと、はちみつの生産が順風満帆のようですが、
前回、養蜂場のことを書いた記事からちょうど1年。
考えれば随分と苦労がありました。
そのときに書いたのは、ミツバチが安心して飛び回れる
農地をつくろうと、借りた耕作放棄地にヤギを放ち、
循環型農園をつくっていきたい! という計画のことです。
でも、その後に想定外の問題が起こり、
その対策に手間がかかってしまっていて、
その計画はいま、ストップしています。
農園にある一種の木「ナンキンハゼ」だけが増えすぎてしまったのです。