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米づくりは雑草との闘い!?
「田んぼと向き合う日々」から学ぶこと|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.045

Page 3

厄介な2種類の雑草

でも、そもそもなんで雑草がよくないのか?
初めての米づくりならではの疑問かもしれませんが調べてみました。
よく言われているその要因としては

1 栄養分をとられてしまう。

2 稲への日照を妨げる。

3 収穫時に雑草の実が混じる。

4 虫の棲み家になる。

5 風通しが悪いと病気になりやすい。

といったことがあるようです。
では、どんな雑草が田んぼに生えてくるのか?

田んぼに水を張るのは雑草対策という面もあるそうです。
一般的な草は、水中では発芽できません。
でも、水中でも構わず発芽する強者が
田んぼに生える雑草ということになります
(水を張るのにはほかの要素もありますが、そこまで触れると
長くなってしまうので興味のある方は調べてみてください)。

わが田んぼでは、2種類の雑草を特によく目にしました。

水中が大好きというコナギ

ひとつ目は水中が大好きというコナギ。
栄養を多く必要とするのでこれが多い田んぼは
稲の元気がなくなってしまうそうです。

しつこく生えてきましたが、地道な田車と引っこ抜き作戦が功を奏して、
稲がある程度伸びてきたころにはほぼ姿を消しました。
稲が伸びると水面に光が届かなくなり、雑草も生えにくくなるのです。

大きく育ってしまったコナギ

コナギ退治完了! なんて安堵していると、いつの間にかこんな大きくなっていることも。油断をゆるせないしぶとさです……。

そして、ふたつ目が稲と同じイネ科のヒエです。
こちらもコナギと同じく、発生すると稲が元気をなくしてしまうそう。
ヒエは古くから寒冷地で主食として栽培されていて
(ヒエ=冷えという説もあるとか)、
雑穀としていまでも栽培されています。

そんなヒエが雑草として田んぼに生えてくると知ったとき、
「お! 雑穀米大好き! 食べれるのかな?」
なんて呑気に思ったものの、残念ながら田んぼに生えてくるヒエは
食用のヒエとは違う野生の品種(ノビエというらしいです)。

厄介なのは、稲ととても似ていて見分けが難しいところ。
発芽したての頃は大きさが違うので見分けもつくのですが、
あっという間に稲と同じ大きさに成長します。
でも、こんなとこに稲植えていないよ! ってところは
気にせずに田車と引っこ抜き作戦で処理。

なるほど。きちんと間隔をそろえて植えることで
こうした利点もあるわけか……などと感心したのもつかの間……。

あれ? この稲大きくない? もうこんなに増えたの? 
そんなはずはないとよく見ると、稲のすぐ横に
寄り添うようにヒエが育っているのです。
見分け方のコツを調べながら、稲に寄り添うように
生えてきているヒエを地道に抜いていきます。

抜いたヒエ

手に持っているのが抜いたヒエです。残っているのが稲。「ふふふ、俺をだませると思うなよ……」ヒエとの知恵比べです。

なぜヒエがこんなに稲と似ているのか? 
稲を育てる人間が見分けられないほど稲に似ることで
生き残ってきたということ……? 
いや、もともと稲と似ているヒエだから田んぼで生き残れたのか……?

そんな生物の進化の過程に思いを馳せながら、
仕事の前後、休日にも時間を見つけてはヒエ抜き作業を。
慣れてくるとすぐに見分けもつくようになり、
稲も成長してきて水面に光が届かなくなり、
新しく生えてくるヒエはなくなってきました。

このくらいで大丈夫かな? と、
ヒエがほぼなくなったと判断してその作業を終了。

そして、雑草対策がひと段落する頃には
田んぼの周りの畔(あぜ)の草がすごいことになっています。
しっかり刈らないと虫の棲み家になってしまうそうです。
こちらは草刈り機でビャーっと刈りました。

田んぼへの往復に使っている原付

田んぼやるなら必須といわれる軽トラを持っていない。買う? とも悩んだのですが、いやいや持っているものでやってみようと、原付の荷台に分割式の草刈り機と鍬と長靴を入れて田んぼに通ってました。土地柄、サーフボードや釣り具を積み込んだ原付はよく見ますが、草刈り機を積んだ原付はいまのところ見ていない。身軽でいいですよ~。