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まず最初に参加したのは蕎麦打ち体験。
この講座を主催しているのは、下田駅から車で20分ほど走った山間にある
〈加増野(かぞうの)ポーレポーレ〉という施設です。
加増野の豊かな自然に触れてほしい、昔ながらのよき食文化を知ってほしい。
そうした地元の方たちの思いで、旧加増野小学校跡地を
利用して立ち上げられました。
地元の女性たちがこんにゃくづくりなどさまざまな体験をさせてくれるほか、
手打ち蕎麦を食べさせてくれる食堂もあります。
娘も私も蕎麦を打つのは初めての経験でした。
うまくできるのかしら? と半信半疑でしたが、
スタッフの方の手ほどきを受けながら
最後にはちゃんと蕎麦らしいカタチになりました。
打った蕎麦は豪華な天ぷらつきで食べさせてくれます。
それがすっごくおいしい!
粉と水からこんなにおいしいお蕎麦ができるんだ~、と私はひどく感動。
娘もいままで使ったことがないような大きい包丁で
蕎麦切りをしたのが楽しかったようで、親子ともども大満足です。
続いて向かったのは、紅型作品づくり。
紅型というのは沖縄を代表する染色で、
琉球王朝の王族や士族の衣装として発展してきたものなのだそう。
いつか染色をやってみたいと思っていた私が勝手に申し込んだのですが、
これが娘にもどうやら響いたようです。
集合場所は、白浜海岸の板戸一色(いちき)地区にある海に面した駐車場。
漁村の雰囲気が漂うまち並みの小さな坂道を上っていくと、
窓が大きく開かれた古民家にたどり着きます。
ここが染色家・石塚淳さんのアトリエです。
下田で生まれ育った石塚さんは、20代の頃に沖縄へ移住しました。
そこで出会ったのがこの紅型です。
紅型に魅せられて以来、沖縄で10年間修業を重ね、
その後、故郷である下田に戻りアトリエを構えました。
今回教えていただいたのは、先生が型を敷いてくれた生地を
好きな色の顔料で着色していくというもの。
筆を使って色を塗るのは子どもが大好きな作業です。
われ先にと、色選びにみんな夢中。
私も一緒に体験させていただいたのですが、
娘と「あーじゃないこーじゃない」と言いながら
手を動かす時間はなんとも心地よいものでした。
仕上がった作品は自宅に持ち帰り、
付着している型のりをぬるま湯で落として完成となります。
最後に先生が調整をしてくれたおかげもあり(隈取りという技法で)、
ちゃんと様になってるんだからうれしくなってしまいます。
娘は満足げに何度も見返しては
「楽しかったねぇ、また行きたい!」とのこと。
今後、親子で一緒に続けていくのもいいな~と思っています。