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初夏の伊豆下田が
アジサイと金目鯛で賑わう理由。
「観光のまち」で暮らすということ|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.039

Page 2

なぜ下田で〈あじさい祭〉なのか?

が家が暮らす伊豆下田は「観光のまち」です。
移住を考え始めたときには、東京ではできない
自然と近い暮らしをしたいと考えていたので、
「観光のまち」に移住するイメージはありませんでした。

そんななか、移住先探しの旅を経て、
結果「観光のまち」下田にたどり着きました。

下田には黒船・開国の港、ジオパーク、温泉と
いくつもの観光資源があるのですが、
やはり一番の魅力は「海」の美しさかと思います。

海の近くの暮らしも考えていなかったのですが、いまはこんな贅沢なことはない、そう感じています。わが家から徒歩圏内の「外浦海岸」も、夏以外は人もまばら、プライベートビーチのよう。

ということで、夏が観光シーズン本番。
初夏はその本番前に徐々にまちが賑わってきている感じです。
下田が誇るふたつの日本一「アジサイ」と「金目鯛」を楽しめる、
〈あじさい祭〉と〈きんめ祭り〉も、初夏の下田を盛り上げています。

今回は、そんなふたつの祭りのこと、
「観光のまち」に暮らすことについて書きます。

下田駅から徒歩15分ほどの下田公園には
国内最多の15万株、300万輪のアジサイが咲き、
6月1日から30日までは〈あじさい祭〉が開催されました。

正直なところ、僕は公園にアジサイが咲いているからといって、
わざわざ足を運ぶタイプではありません。
でも、下田の知人たちが続々と、アジサイで盛り上がっている
下田公園の様子をSNSにあげています。
下田公園はわが家から車で10分ほど。
休みの日にちょっと行ってみようか? となりました。

さすが国内最多株数! 
特にアジサイに思い入れのない自分でも圧倒されます。
でも圧倒されながらも
「ところで、なんで下田に国内最多のアジサイ?」
という疑問を感じてしまうひねくれ者の自分……。
ちょいと調べてみました。

いまでは世界中でみられる花、アジサイですが、実は原産は日本。
その中でも原種といわれる「ガクアジサイ」は伊豆に多く自生していました。

装飾花が、花のまわりを額縁のように囲う「ガクアジサイ」。

その昔、ひっそりと咲いていたガクアジサイは、
実はあまり人気がなかったらしいのです。
いま主流の、装飾花が手まりのように集まったアジサイは、
江戸時代にヨーロッパに伝わり人気の花となり、
改良を重ねて、日本に逆輸入された品種。

下田公園にはもともと多くのガクアジサイが自生していたそうですが、
これを新しい観光資源に育てていこうと植え始めたのが、
50年以上も前のこと。

いまでは立派に花を咲かせて観光客を楽しませています。
ひと世代前の人たちの努力でまちが潤っている。
刹那的になりがちな観光資源つくりですが、次の世代にも残るような
こんな動きから学ぶもことも大きいように感じます。

「公園」らしく遊具もあります。子どもたちにはアジサイよりこちらが楽しそう。子どもが退屈しないか? これ、子連れファミリーには結構大事なポイントです。

〈あじさい祭り〉期間中は露店もあり、リーズナブルにご当地料理が味わえます。「花より団子」の人も安心!

下田公園近くの歴史的なまち並みが残る「ペリーロード」にも色とりどりのアジサイが咲いています。7月初旬まではアジサイが楽しめるそうです。