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南伊豆へ移住先探しの旅。
自然農園〈日本晴〉を営む夫妻、
気になる物件との出会い|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.012

Page 2

伊豆にもこんな農村風景が! まずは下田へ

伊豆への移住先探しの旅が始まりました。
今回は南伊豆(南伊豆町、下田市、河津町、東伊豆町)をめぐります。

約束の時間に下田駅で不動産業者と落ち合い、
ネットで見て気になっていた物件に向かいます。

下田から北へ、修善寺方面へ向かう国道をしばらく進み、
脇道を入っていきました。道はどんどんと細くなり、
ぎりぎり車1台が通れるような道を進むこと5分。

そこは僕らがいままでいだいていた下田のイメージとは随分と違う
山深い雰囲気の集落。川沿いに広がる田んぼや畑はとても美しく、
まさに昔ながらの日本の農村風景です。

下田近辺でも一歩入ればこんな雰囲気があるんだとわくわくしてしまいます。
妻の親戚の家が下田にあり、そこによく行っていたことから
伊豆や下田に対して「温泉」「別荘地」「リゾート」
というイメージが大きすぎたことに反省してしまいます。

(僕らはこんな雰囲気がツボなのです。先入観ってよくないですね)

そして、敷地内で畑ができる、沢の水を引いている、家の広さもまずまず
という、条件だけ見ると自分たちの理想に近いという物件ですが、
実際に見てみるとかなり日当たりが悪く、そのうえ、川沿いのせいもあり
じめっとしていて、自分たちとしては住む気にはなれませんでした。
業者さんがホームページで載せている写真、
なかなかよく撮ったなあと感心してしまうくらいです……。

この細い道を登ったところにその家はありました。周辺の雰囲気はかなりいいのですが、家が山の影になってしまっていて冬はほとんど日が当たらないのです。

相場より安いのには訳があるようです。
修繕が必要で安くなっている分には、自分で直せばよいので
ありがたいくらいですが、こういった環境に関することは、
いかんともしがたいところです。やはり物件は見てみないとわからない、
そんなあたり前のことも再確認しました。

物件を見終わり細い道から国道に出ると、いかにも地元の人という感じの
おじさんふたりがなにやら楽し気に立ち話をしていました。
これはなにか情報がもらえそうだと、所さんのダーツの旅ばりに突撃!

本当に楽しい方たちで随分と話し込んでしまい、
物件の紹介をしていただいたり、この辺に移住するなら
わさびの苗を育てたら小遣い稼げるよ~、という
地元の人ならではのアドバイスをいただいたりしました。

移住した先では、ひとつの仕事の収入だけに頼るのではなく、
小さい収入源をいくつも持つような働き方をイメージしています。
(電気を使わない非電化製品の発明家、藤村靖之さんの
『月3万円ビジネス』という本にこの考え方が詳しく書いてあるので、
興味がありましたらぜひ)

そして、その小さい収入源は、移住した土地、家から発想して
つくっていこうと考えています。
そのひとつとしてわさびの苗。地の利も生かしているし、おもしろそうです。

物件は残念でしたが、伊豆の旅、悪くない出だしです。

その翌日に案内をお願いしている、下田のお隣、
河津町の空き家バンクの物件に期待しつつ、物件めぐりを終えました。
その日の宿泊はその河津町の移住お試し住宅〈なごみの里かわづ〉

実は、この移住先探しの旅を始めてからさんざんお試し住宅のことを
調べてはきたのですが、車中泊、知人や知り合った方の家、
農家民宿ばかりに泊まっていて、実際に利用するのは初めてなのです。

(ありがたいことに、事情を知って泊めてくれた方もいらっしゃいました。
映画『ペイフォワード』のようにこの恩をほかの人につなげていきたいです)

河津町ではこのお試し住宅をNPO法人
〈伊豆の田舎暮らし夢支援センター〉が管理していて、
翌日の空き家バンクの物件の案内もそのNPOにしていただく予定です。

下田から河津へは海沿いか山を抜けるふたつのルートがあり、
朝は海沿いを走ったので、山を抜けるルートで向かいます。
河津の中心地からもほど近い場所に移住お試し住宅はありました。

キッチンがあって風呂があって布団があってというのは車中泊が多いわが家にはありがたいです。

河津のスーパーで近隣で水揚げされたという鯛を調達。もちろん東京で買うより安いです。塩焼きにしただけでしたが最高でした。後日、娘に伊豆で何が一番おいしかった? と尋ねたところ「焼いた魚!」と。シンプル伊豆ベスト……。