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〈蟹取県ウェルカニキャンペーン〉
監督・森翔太に聞く!
カニ動画秘話

コロカルニュース

posted:2017.1.25   from:鳥取県  genre:食・グルメ / エンタメ・お楽しみ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Akiko Saito

齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。

いま、鳥取県には旬のカニが大大集結中!!!! 
この迫り来る美味の嵐を全国の皆様に味わってほしい!!! 
そんな思いから鳥取県で開催されている、
〈蟹取県ウェルカニキャンペーン〉。

2017年2月28日までのキャンペーン中に、対象の旅館・ホテルに宿泊すると
松葉がになどの豪華景品がもらえるキャンペーンです。
詳しくはこちら

この〈蟹取県ウェルカニキャンペーン〉では、
さまざまにインパクトのあるPRが行われているのですが、
中でも話題になったのが、鳥取県出身の映像作家、俳優である
森翔太による映像シリーズ。

空港の蛇口からカニが出て来る「カニ蛇口」、
高校生が修行する「カニ拳」など、
ユニークな作品がYouTubeで公開され、大きな話題になりました。

森翔太さん

コロカルでは森翔太さんにインタビュー!
個性的な作品の創作の裏側をお伺いしました。

ーー森翔太さんがこのプロジェクトを手がけるきっかけを教えてください

森:自分がお話をいただけたのは、鳥取県出身だからという点がもちろん大きいと思います。
広報戦略課の担当者の方が「もうなにやってもいいので、全部やりましょう!」と
いう最高な言葉を言ってくださったので、是非にもやりたいと思いました。

ーーそれでは、それぞれの撮影コンセプト、エピソードなどをお教えください。

スーパー店員「カニ浮遊」

ーーまずはスーパー店員「カニ浮遊」から。

森:「蟹が浮いたら面白いですね!」と、
プランナーの栗林さん発案のもと、
できるだけリアルっぽく映るように演出して撮影をしました。

テスト中

夜のスーパーマーケットが閉店間近の2時間しか
レンタルできなくて、すごく急いで撮影した覚えがあります。
実は画面の見えないところで、数人で蟹を糸で吊っているんですが、
見えないところでたくさん労力が使われています。
テイク的には20回以上、カメラ(iPhone)も3つ使って、
最終的にどのテイクがいいのか、選ぶのがとても大変でした。

ただ、全体の中ではこれが一番準備期間が短かったです。
メインに映っているスーパー店員さん(こちらはマジシャンくっぴさんという方です)の
指導のもと、前々日の夜にみんなで集まって、
蟹を浮かす練習をしたりしました。
夜遅くまで大人が蟹を浮かし合っているのです。
これが僕の青春だって思いました。

カニニュース「カニ蛇口」(鳥取カニ動画)

ーー続いて空港の蛇口からカニが出てくる「カニ蛇口」。

森:米子鬼太郎空港という、本当にある空港を使わせていただきました。
このカニ蛇口を作ったのは、私の父です。撮影にもエキストラとして
ひょっこり出演しています。

お父さん

カニ蛇口は間際までどうやって作ったらいいかわからず、
父に相談したところ、「OKだ。1日で作ってやる」と言って、
本当に一日で作っていました。
僕の父は、現在、自営業でダンボール会社の会長をしているので、
朝飯前みたいに完成させていたのには感服しました。

本番ではなかなか思ったように蟹の身が出てこず、
最後に佐藤さんが登場する以外の場所では、僕が蟹の身を押し出しています。
あの映像に登場しているエキストラの子供や、蟹蛇口の中の人は、
BSSディレクターのご家族の方です。今回の動画は、
いろんな関係者の身内が総出演してる、とても温かい動画とも言えます。

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カニスマ理容師登場!

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「カニスマ理容師」

ーー続いて「カニスマ理容師」。鳥取県米子市内に予約が
殺到している床屋があるということで、リポーターが取材に訪れたところ…という。

森:「蟹バサミがあったら面白いですね」という、
僕の何気ない一言で、本当にすることになりました。
こちらも本当に実在する鳥取の理容院で撮影しました。
もちろん、カニスマ理容師を演じていただいてる方も、
実際に店主をしている理容師の方です。

カニはさみ

最初、店主の方も戸惑っていたのですが、
撮影が進むにつれて、「ねえ監督。その女性リポーターの方の
髪を使ってみるのはどうですか?」など、どんどんノリノリになっていきました。
結果的に、インタビューの発言にアドリブをバンバン言う余裕を見せ、
我々一同、助けられました。お客さんも全員常連の方で、
ここに何年も通い続けているとのことです。素敵だなと思いました。

ーー江戸時代から鳥取藩士の武術の一派として発展した「カニ拳」
を取材したという設定のこちらは?

森:「蟹拳法とかあったら面白いですね」という、
ライターヨッピーさんの一言により、本当にすることになりました。

蟹拳

こちらは鳥取の米子北高校という、実際にある高校で撮影しました。
演出は自分がやってますが、実は練習日として前日に前乗りしたとき、
思った以上に、年ごろのみなさんが恥ずかしがってて、
まず恥ずかしさをとるのが非常に大変だった覚えがあります。
こちらに出演してもらってる生徒さんたちは、
みんな米子北高校の空手部と体操部の方々で、役者などではありません。
現役ハイスクールセブンティーンです。

本番を迎え、当初は環境に慣れないながらも、慣れていくにつれ、
無事に彼女たちはカニ拳をやってくれました。
素晴らしかったです。もし僕があちら側の立場だったら、
恥ずかしくてできなかったと思います。ありがとう。本当にありがとう。

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地元のテレビ局が作る嘘ニュース?!

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山陰放送での森さん

ーーかなり作品数の多いシリーズですが、
苦労も多かったのではないでしょうか。

森:今回作ったカニニュースは、
地元のテレビ局BSS(山陰放送)の大きなバックアップのもと、
映像を作らせていただきました。
「普段現実のニュースを報道しているテレビ局が、
嘘のニュースを報道製作したらどうなるんだろう」という
ふわっとした思いがありまして、ダメもとで交渉したら、
なんとOKをいただけたという流れがあります。
自分的には、後にも先にも初めての経験だったのでかなり面白かったです。

ーー鳥取の人の蟹へのこだわりはどれほどすごいものなんでしょうか?

森:実は地元の人が蟹のことについて話しているのを、
僕自身は聞いたことはないんです。
質問にそってないかもしれないんですが、鳥取で撮影した夜、
制作人で夜に蟹を食べに行きました。
そしたら恐ろしいほど美味しくて、
その場にいたプランナーの栗林さんが、「このために鳥取にきたと言えます」と
仰ってました。それくらい美味しかったんです。
きっとすごくこだわってるんだな、と、この料理から見ても伝わるものがありました。
ちなみにこちらのお店です。蟹コースが絶品でした。

ーー鳥取県出身の森さんですが、森さんが考える鳥取の魅力とはなんですか?

森:個人的には、観光として植田正治記念館がとっても好きです。
もちろん有名どころではありありますが、鬼太郎ロードや鳥取砂丘も、
あの独特な鳥取の気候や雰囲気を味わうには理想の場所だと思っています。
三朝や羽合温泉も子供の時に連れていってもらって好きでした。
ぜひのんび〜り休みに来るつもりで来られるのがいいかと思います。

おすすめのお店は倉吉市の喫茶店〈赤瓦五号館 久楽〉、
というのも、うちが経営しているからです。
いや、宣伝を抜きにしても倉吉に来た際にはぜひお立ち寄りください。
高校の時バイトしてました。

森さん、ありがとうございました!
ぜひこの冬は、カニを味わいに
鳥取にお出かけしてみてはいかがでしょうか。
キャンペーンの詳細は公式サイトにて。

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蟹取県ウェルカニキャンペーン

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