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滋賀県長浜市・米原市(湖北地域)

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5 konefa samuraiに共鳴するクリエイター。 graf

農村と都市をつなぐ、
社会的な意義を持つプラットフォーム。

阪に拠点を構えるgrafは、
グラフィックデザイン、空間、プロダクト、アート、食など
多岐に渡って活動している。
konefa samuraiとも大きく関わり、
(写真左から)小坂逸雄さん、服部滋樹さん、川西万里さん、
そして料理家の堀田裕介さんらが中心となって連携してきた。

「MOTOKOさんが2009年秋ごろに
konefaの家倉さんを連れてきてくれたのが最初の出会いです。
米農家のイベントができないかという相談でいらして。
それなら田んぼを見せてもらったりしていろいろ勉強しようと、
家倉さんの田んぼと家を訪ねました」(川西さん)

それがきっかけで2009年12月に
「おいしいお米の食べ方」というイベントをgrafにて開催。
それ以降も1年ほどのあいだにいくつものイベントを共催し、
かなり濃い密度で関わることになった。
このころまでは、まだkonefaという
湖北エリアの若手農家集団に過ぎなかったが、
これらのイベントに積極的に関わっていったメンバーを中心に、
konefa samuraiへと発展していく。

それまでのお米のイベントといえば、ほとんどが環境をテーマにしたもの。
しかしgrafは最初の「おいしいお米の食べ方」では、そうはしなかった。
まず大切なことは“食べておいしい”ということだ。
「本当においしいから、おいしいと思ってもらうのが一番。
目の前で精米して、洗って、吸水。土鍋で焚き始めて、蒸らす。
一連の作業を直接見て体験してもらったので、
よりおいしいと思ってもらえたと思います」(川西さん)
「こんなにおいしいからみんな食べてみて、とそれだけのことなんだけど、
でもそれが意外と日常を暮らすために
必要なモチベーションになっているんだと思います」(服部さん)

これらのイベントの成功以降、
自然農や有機栽培などに関心がある他の生産者たちから、
たくさんのオファーを受けたという。
grafと関われば、“いいイメージ”がつくれると思われたからだ。
「私たちの企画運営する
「ファンタスティックマーケット」という生産者が直売するマーケットに、
出店したいというオファーを他の農家さんからたくさんもらいました。
でも私たちは自然農や有機栽培された農作物を
アピールしたいわけではなくて、生産者の農業への取り組みや姿勢を
伝えることを大事にしたいんです」(小坂さん)
「konefa samuraiのそもそもの目的は出会い。
今まではユーザーの顔が見えない状況でしたよね。
もっと顔が見える範囲の人たちのためにつくりたい、
ということだと思います」(服部さん)

具体的には、立見さんが経営する「みたて農園」のホームページと
お米のパッケージのデザインを手がけたことがあった。
「現地取材に行ったときに、
”病気だった人がその水を飲んだら病気が治った”という
言い伝えのあるお水が湧く場所に案内されたんですね。
それで周りを調べていくと、他にも面白いものがたくさんあったんです。
それがとても価値のあることだということは
地元の人も本人も気がついていないことでした。
そこから彼が進めていこうとする
米づくりのコンセプトが芽生え出したようです。
単にお米を売るだけじゃなくて、
地元の魅力や環境のすばらしさを伝えるということを
同時にやらなければならない。
それを一緒にやっていこうということになりました」(服部さん)

仕事という面でとらえると、
konefa samuraiはgrafにとってクライアントだ。
でも仕事という枠を取り払い、深いコミュニケーションを取り、
良好な関係性を築くことが、いいデザインを生み出すことになった。

「僕は料理人なので、
食材のつくられている現場に触れたいという強い気持ちがありました。
年配の人が多い農家のなか、同年代の農家に出会うことで、
農家と料理人という関係より、
友達という関係からつながっていくことができました。
その延長上で仕事している感じです」(堀田さん)
「単に1、2回打ち合わせするだけでパッケージのデザインを
するのではなく、彼らの地元を訪れ、活動を体験していくこと。
そうして滋賀もしくは湖北という場所の可能性を広げてあげる
ということをやれているのは、
konefa samuraiとの出会いとつながりで教わったこと。
それは僕らの力にもなりました。
体感する重要性。それを価値だと思ってくれる人たちだったんですよ。
だからうまくいったんじゃないですかね。
つながりにすごく感謝しています」(服部さん)
konefa samuraiはナチュラルに楽しんでやっている。
だからこそ、この意義は実は大きい。

「今回得たことは、konefa samuraiと大阪以外の都市とか、
僕たちと他の農村とか、もっと広がっていけると思う。
そういうプラットフォームができると思うんですよ。
彼らは自分たちのこととして知らずにやっているかもしれないけど、
実は農業の社会的な意義にまで発展する。
その可能性をもっと伝えていきたいです」(服部さん)

農業を都市がサポートするということでなく、
農村と都市は対等な関係でなければならないと思う。
都市で農業をするというようなことではなく、
それぞれが別々にできることがあるはずだ。
お互いをリスペクトして、役割を遂げていくこと。
それができれば、農業と都市のより有機的な関係性を築けるはずだ。
grafとkonefa samuraiの精力的な活動が、
そのきっかけになってくれるにちがいない。