沖縄県那覇市
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帰ってくるほうも、迎えるほうも、
誰もが笑顔の盛大なセレモニー。
おかえりなさい!
沿道に集まった人々から大きな声がかけられる。
普段は大勢の観光客で埋め尽くされる国際通りが、
今日だけは、車の通行も止められて、
各国のカラーに身を包んだウチナーンチュたちが
誇らしげに歩いていく。ハワイに暮らす人々は、
穏やかなメロディに乗って、フラを披露している。
涙が出そうになってしまうほど心が動くのは、
その歴史に思いを馳せてしまうからだろうか。
フラは、その動きひとつひとつで魂を伝えていく踊りだ。
ザンビアで暮らす高良初子さんが、こちらを見て、
にこやかに手を振ってくれた。出会ったばかりなのに、
親戚のような気分になってしまう。
遠くから軽快なリズムが響いてくる。
派手な衣装に身を包んだ、
今回最も参加人数が多いブラジル隊だ。
陽気にサンバを踊りながら、ハイタッチを交わす。
「世界ウチナーンチュ大会」は、
国際通りのパレードによって幕を開けた。
「ただいま!」「おかえり!」と、
初めて会った者同士が心の底から
挨拶を交わすことのできるイベント。
移民資料展やワールドバザールなど、
那覇のそこかしこで行われたイベントは、
チャンプルーと呼ぶにふさわしい、
異文化交流の場となった。誰もが笑顔なのは、
「いちゃりばちょーでー」の精神が、当たり前だから。
地域ごとに行われた親睦会でのエイサーも、
琉球空手の奉納演舞も、あるいはビジネスフェアでさえ、
根底にあるのは「いちゃりばちょーでー」
こうやって、沖縄のカルチャーは、
世界へと広がっていくのだろう。