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連載

里山十帖・岩佐十良さんによる
新たな視点を取り入れ、
〈ユキノチカラ〉は
「つくる」から「売る」の
ステージへ

岩手県西和賀町・ユキノチカラプロジェクト
vol.003|Page 3

posted:2016.12.29  from:岩手県西和賀町  genre:ものづくり / 活性化と創生

sponsored by 西和賀町

〈 この連載・企画は… 〉  岩手県の山間部にある西和賀町。
積雪量は県内一、人口約6,000 人の小さなまちです。
住民にとって厄介者である「雪」をブランドに掲げ、
まちをあげて動き出したプロジェクトのいまをご紹介します。

writer profile

Tamaki Akasaka

赤坂 環

あかさか・たまき●フリーライター。岩手県盛岡市在住。「食」分野を中心に、県内各地を取材・原稿執筆。各種冊子・パンフレットの企画・構成・編集も行うほか、「まちの編集室」メンバーとして雑誌「てくり」なども発行。岩手県食文化研究会会員。

credit

撮影:奥山淳志

Page 3

「距離の壁」を越えた、新しいツアーのあり方

来年2月、まちの大きな祭りのひとつ〈雪あかりinにしわが〉の時期に合わせて、
プロジェクトではモニターツアーを企画している。
そこでメンバーは試食会のあと、
「旅」と「食」がテーマの雑誌『自遊人』の編集長である岩佐さんを、ある場所に案内した。

国道から東に入った山あいの集落には、ひっそりと、でも大きな存在感を放つ、
築140年の古民家が建っていた。
集落が川舟地区であることから〈川舟の家〉と呼ばれ、
同地区のNPO法人〈西和賀文化遺産伝承協会〉が保存活動に取り組んでいる。
数年前からは茅葺き屋根の差し替えも行っているという。

運営する温泉宿〈里山十帖〉も古民家をリノベーションしたものであり、
昨今の古民家ブームもあいまって仕事で古民家を目にする機会が多い岩佐さんだが、
「100数十年前の古民家とは思えないほど、保存状態がいい」と驚き、
可能なら活用したほうがいいと勧める。

さらに、「西和賀は首都圏などからの『距離の壁』があるが、
早くチェックインして遅くチェックアウトしてもらい、
宿や町内をたっぷり楽しんでもらうようにすれば、距離は関係ない」と言い切り、
新しいツアーのあり方を提案する。
もうひとつ、プロジェクトのメンバーが岩佐さんに意見を求めたのは、
昨年度パッケージをデザインした商品の、今後の展開方法だ。
町民への定着は浸透し始めているが、このあと町外へ流通させるためには、
卸売り価格の設定や営業担当者の配置など課題が多い。

「ユキノチカラはデザイン力が高いので、逆に商品力をもっと高めれば絶対売れる。
ただし流通に乗せるには流通マージンも必要。
製造原価から適正価格を割り出し、値上げを検討することも重要」とアドバイスする。
昨年度の「つくる」から、今年度はいよいよ「売る」へ。
昨年度のプロジェクトもまた、次のステージへと進む。

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