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連載

里山十帖・岩佐十良さんによる
新たな視点を取り入れ、
〈ユキノチカラ〉は
「つくる」から「売る」の
ステージへ

岩手県西和賀町・ユキノチカラプロジェクト
vol.003|Page 2

posted:2016.12.29  from:岩手県西和賀町  genre:ものづくり / 活性化と創生

sponsored by 西和賀町

〈 この連載・企画は… 〉  岩手県の山間部にある西和賀町。
積雪量は県内一、人口約6,000 人の小さなまちです。
住民にとって厄介者である「雪」をブランドに掲げ、
まちをあげて動き出したプロジェクトのいまをご紹介します。

writer profile

Tamaki Akasaka

赤坂 環

あかさか・たまき●フリーライター。岩手県盛岡市在住。「食」分野を中心に、県内各地を取材・原稿執筆。各種冊子・パンフレットの企画・構成・編集も行うほか、「まちの編集室」メンバーとして雑誌「てくり」なども発行。岩手県食文化研究会会員。

credit

撮影:奥山淳志

Page 2

「地鶏をまちの名物に!」という想いを担う、ブランドづくり

ユキノチカラプロジェクトがブランディングにかかわる地鶏というのが、〈南部かしわ〉だ。
岩手県の在来鶏、岩手地鶏の血を引く交雑鶏で、噛み応えのある肉質と、
噛むほどに舌を楽しませるうまみとほのかな甘みが特徴。
町内で温泉宿〈山人(やまど)〉を経営し、同町の観光協会会長でもある髙鷹政明さんは、
これをまちの名物にしたいと5年前から飼育の研究をしている。

「西和賀の食の名物といえば、山菜やきのこ、豆腐、納豆汁など、
野菜や植物性タンパク質がほとんど。
動物性タンパク質としては、温泉を利用して飼育するスッポンがありますが、
極め食材なので、滋味に富み汎用性が高い地鶏を名物にしようと決めたんです」
髙鷹さんは、宿の料理に使う野菜などを栽培する自社農園〈山人ファーム〉内に
鶏舎をつくり、大野集落営農組合の組合長・髙橋雅一さんとタイアップして飼育を開始。
岩手県農業研究センター畜産研究所から日齢28日前後のヒナを仕入れ、
日齢120日前後まで育て、それを〈山人〉で提供する。
身が締まりうまみの多い南部かしわは宿泊客の反応もいいことから、
来年度の商品化(販売)と、それに向けたブランディングが始まったのだ。

髙鷹政明さん(中央)と髙橋雅一さん(右)。

そのアドバイザーである岩佐さんが西和賀を訪れたこの日、
髙鷹さんと髙橋さんは岩佐さんを鶏舎に案内した。
鶏舎では髙橋さんの息子の聡さんが、配合飼料とともに
地場産の米や野菜を与えていること、飲み水は雪解け水を源とする湧水であること、
冬の寒さに強いので西和賀の気候に合っていることなどを説明。
農業生産法人を運営する生産者でもある岩佐さんは、興味深げに耳を傾ける。
そんなこだわりの地鶏の味はいかに!? ということで、同日には試食会も開催された。
炭火で焼かれ、塩コショウだけで調味された〈南部かしわ〉は、
プリッとした食感ながら噛むとジューシー。特有のうまみも楽しめた。

炭火焼きの香ばしい香りに包まれながら、岩佐さんは
「食のプロジェクトの成功ポイントは、『おいしさ』の徹底追求」と言い切る。
ただし「おいしさ」の評価は人によって異なる。
そうなると、「食材の味がいかに生きているか」が重要な基準となり、
例えば野菜なら有機栽培や無農薬栽培が、
加工食品や料理では添加物の入らない調味料を使うことが付加価値になるだろうという。
これらは南部かしわのブランド確立に向けたストーリーづくりの、大きなヒントといえる。
一方髙鷹さんは、「今年度中に、衛生管理の徹底した屠畜場をつくり、
最新鋭の冷凍システムCAS機能を導入し、
品質をより維持したまま貯蔵できるシステムをつくる予定です。
いままでになかった地鶏の食提案……鳥刺しなんかも当たり前のように提供したいですね」
と夢をふくらませる。

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