colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧

連載

健康落語が
弘道館にやってきた!
水戸 養命酒薬用ハーブ園 vol.2

Local Action
vol.098|Page 1

posted:2016.12.27  from:茨城県水戸市  genre:活性化と創生 / エンタメ・お楽しみ

養命酒製造株式会社

〈 この連載・企画は… 〉  ひとつのまちの、ささやかな動きかもしれないけれど、創造性や楽しさに富んだ、
注目したい試みがあります。コロカルが見つけた、新しいローカルアクションのかたち。

writer profile

Chizuru Asahina

朝比奈千鶴

あさひな・ちづる●トラベルライター/編集者。富山県出身。エココミュニティや宗教施設、過疎地域などで国籍・文化を超えて人びとが集まって暮らすことに興味を持ち、人の住む標高で営まれる暮らしや心の在り方などに着目した旅行記事を書くことが多い。現在は、エコツーリズムや里山などの取材を中心に国内外のフィールドで活動中。

photographer profile

Yayoi Arimoto

在本彌生

ありもと・やよい●フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。近著は写真集『わたしの獣たち』(2015年、青幻舎)。

http://yayoiarimoto.jp

《連載第1回はこちら》

茨城県水戸市と薬用養命酒でおなじみの養命酒製造株式会社が
薬草を活用するプロジェクトをこの夏から開始しました。
まずは、植物公園敷地内に〈水戸 養命酒薬用ハーブ園〉を
2017年4月にオープンします。
水戸藩に古くから残る薬草・生薬文化と、
400年以上も前に創製された薬酒を継ぐ養命酒製造株式会社によって
新たな薬草文化の価値を今に伝えていく、官民協働の新しい取り組みのかたち。
コロカルでは、プロジェクトの重要な部分を担う
市民向けのワークショップやイベントをレポートしていきます。

水戸学の拠点、弘道館で カジュアルに落語を聞く

都内では、寄席に並ぶ行列が連日のように続き
江戸時代以来ともいわれる平成落語ブーム到来の折、
江戸末期(1841年)に日本最大の藩校としてつくられた水戸の弘道館に
落語家、立川らく朝さんがやってきました。

水戸市と養命酒製造の協働事業のための
ワークショップに、なぜ弘道館で落語を?
その疑問は追々解決するとして、まずは落語の様子から。

寄席に集まったのは、中高年を中心とした約80人のみなさん。
聞けば、地元にある生涯学習サークルに属している人が多く、
常時、市内でのおもしろそうなイベントには参加するように
チェックしているそうです。

特に、前回に訪れた水戸市植物公園の西川綾子園長の講座は
人気があり、固定ファンもいるくらい。
「水戸市は生涯学習が盛んな土地なんです。
なんたって日本最大の藩校、弘道館のある土地ですから」
と前回のワークショップの際に西川園長が言っていたのを思い出しました。

今回は、水戸藩9代藩主 徳川斉昭公がつくった歴史的建造物、
重要文化財の弘道館で落語を聞けるとあれば、
多くの方が集まるのも納得です。

トトトン、という出囃子とともに高座に上がったらく朝さん、
まずはまくらにご自身の話など。
らく朝さんは46歳で立川流に入門される前は内科の医者でした。
そんならく朝さんオリジナルの健康落語は、全国各地でひっぱりだこなのです。

「医者と落語家も、政治家も振り込め詐欺も口だけの商売」と軽やかに噺す、らく朝さん。

徳川慶喜公が幼少期に学んでいたという、至善堂での寄席。らく朝さんが羽織を脱ぎ、本題に入ってからは、皆、集中して聞き入っています。

医学的に説明すると難しそうな内容も立て板に水を流すように噺す、らく朝さん。
ガンからメタボまで、生活習慣病予防の
参考になるような話には熱心にメモをとる人の姿も。
そんな参加者の姿を見て、
「笑うだけでガンにならないんですよ」とひと言。

「いやね、健康落語なんぞをしているとですね、
らく朝さん、体に一番いいことってなんですか? とよく聞かれるんですよ。
そういう質問には、笑いくらい体にいいものはないですよと答えます。
私たちの体のなかでは、毎日がん細胞ができているんです。
でもね、笑うと、いいんですよ。
笑うだけでがん細胞を攻撃する
NK(ナチュラルキラー)細胞が体内に増えるんですからね。
本日も難しい顔をして下を向かずに、
大いに笑っていってください」

さて、まくらから本日の演目へ。
らく朝さんが選んだのは、「代脈」という演目。
間抜けな医者見習いの落語です。
アドリブで、どのような状態の患者にも葛根湯を勧める医者の話
「葛根湯医者」についても織り交ぜた話にしてくれます。
医者になるまでの過程にあった自身の経験を交え、
江戸時代の診療をテーマにした古典落語をセレクトしました。
葛根湯はクズの根が主成分の伝統的な漢方薬。
クズは古くから知られた薬用植物なので、
そういった観点から聞くと興味深い小咄です。

あっという間に落語に集中した時間が過ぎ、
最後はみなさんでにっこりと記念撮影しました。

中央は立川らく朝さん。右には、本日の司会を務めた水戸市植物公園・西川園長が。念願の「葛根湯医者」を聞けてうれしそう。

「水戸のみなさんは、反応が良くて心地よかったですね。
なんといっても病気にならないためには
ストレスを溜めないことが重要ですから、
どうやって発散するかということです。
ストレスを溜める一番の原因は、病院に行くことですよ」
らく朝さんの言葉に、最後にまた笑いが起こりました。

Tags  この記事のタグ

Recommend