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連載

リバースプロジェクト・
伊勢谷友介が
「未来づくり」に着手
リバースプロジェクト 前編

貝印 × colocal
「つくる」Journal!
vol.042

posted:2016.3.8  from:東京都  genre:活性化と創生

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〈 この連載・企画は… 〉  歴史と伝統のあるものづくり企業こそ、革新=イノベーションが必要な時代。
日本各地で行われている「ものづくり」もそうした変革期を迎えています。
そこで、今シーズンのテーマは、さまざまなイノベーションと出合い、コラボを追求する「つくる」Journal!
ものづくり・しくみづくり・ひとづくり・食づくり、場づくりetc、
貝印 × コロカル × earthradioチームが、フレキシブルにテーマを取り上げていきます。

writer's profile

Tetra Tanizaki
谷崎テトラ

たにざき・てとら●アースラジオ構成作家。音楽プロデューサー。ワールドシフトネットワークジャパン代表理事。環境・平和・社会貢献・フェアトレードなどをテーマにしたTV、ラジオ番組、出版を企画・構成するかたわら、新しい価値観(パラダイムシフト)や、持続可能な社会の転換(ワールドシフト)の 発信者&コーディネーターとして活動中。リオ+20など国際会議のNGO参加・運営・社会提言に関わるなど、持続可能な社会システムに関して深い知見を持つ。
http://www.kanatamusic.com/tetra/

photo

Suzu(Fresco)

スズ●フォトグラファー/プロデューサー。2007年、サンフランシスコから東京に拠点を移す。写真、サウンド、グラフィック、と表現の場を選ばず、また国内外でプロジェクトごとにさまざまなチームを組むスタイルで、幅広く活動中。音楽アルバムの総合プロデュースや、Sony BRAVIAの新製品のビジュアルなどを手がけメディアも多岐に渡る。
http://fresco-style.com/blog/

リバースプロジェクトの新しいフェーズ

俳優・伊勢谷友介が代表を務める株式会社リバースプロジェクト。
「人類が地球に生き残るためにはどうするべきか?」という命題のもと、
人類がこれまでもたらした環境や社会への影響を見つめなおし、
未来における生活を新たなビジネスモデルとともに創造していくために活動している。
これまで、衣〈HATCH YOU〉、食〈HOUSE475〉、住〈THE SPIKE SHOW〉をはじめとし、
教育・芸術・支援といった社会生活を営むうえで必要とされる分野での活動を、
クリエイティブな視点から考察・実行してきた。
最終的にこれらのプロジェクトを統合・組織化することで、
〈リバースヴィレッジ〉という持続可能なライフスタイルの暮らしの場が形成され、
さらに世界各地で展開されることを目指している。
そんなリバースプロジェクトは、これまで“ものづくり”だったフェーズが
“ひとづくり”や “ことづくり”へフォーカスし始めたという。
その最新の動きを代表の伊勢谷友介さんに聞いた。

「僕らは今年で7周年。
いままでやってきたことが新しいフェーズに入ってきています。
もともと未来の村=リバースヴィレッジをつくりたい
というところから始まったのですが、
それを現実のなかに落とし込む作業が始まっています。
株式会社として培ってきたさまざまな手法のなかで、
リアルな“村”というよりも持続可能なライフスタイルを送ろうとする人々の
“コミュニティづくり”という方向へと変わってきました。
基本となる考え方はこれまでと同様、“人類が地球に生き残ること”。
そのための“コミュニティづくり”、仲間探しをしています」

その鍵となるのは“未来を共創していく志”だという。

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』で吉田松陰を演じた伊勢谷友介が、現代の〈松下村塾〉を立ち上げた。写真提供:株式会社リバースプロジェクト

「リバースプロジェクトは“未来”をつくっていく志で
つながることを理想としたいんです。
“人類が地球に生き残る”ために集って、
資本主義社会のなかで継続させるために事業を起こしていますが、
お金は志を叶えるためのひとつの道具でしかない。
でも世の中はお金を稼ぐことが目的だと見誤ることがあります」

志でつながるとはどういうことだろうか。

「ヒントになるのは“ウィキペディア”。
あれはお金をつんで知恵を集めてるわけではない。
無償で書く、知の集合体をつくりたいという“志”なんです。
シェアすることのポジティビティ。僕にとってすごい発見でした。
僕らは大きな目的、“志”でつながって、
社会をイノベーションしていくための方法論として、
事業を起こす、起業していく」

伊勢谷さんの考える、“志”でつながる“ウィキペディア”のようなプロジェクト。
そんな考えのもと生まれたのが〈松下村塾リバースプロジェクト〉だ。

人材育成のプロジェクト、学生版〈松下村塾リバースプロジェクト〉。写真提供:株式会社リバースプロジェクト

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現代にこそ、松下村塾が必要だ

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〈松下村塾リバースプロジェクト〉

昨年、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』で吉田松陰を演じた伊勢谷友介。
幕末だけではなく、現代にこそ“松下村塾”が必要だと考える。

「特に“志を持つ人材を育てる教育”が必要です。
いま、日本は先進国で最低の起業率と言われています。
本来は大学を出たときには、自分の能力を生かして、
どう社会を変えていくのかというノウハウを持っているはずだけど、
実際は社会の責任を自分が担うという気持ちで社会に出る若者が本当に少ない。
いまの学生は就職を第一に考え、大学卒業したときに、
“社会からこぼれてくるお金をもらうこと”をまず考えてしまう人が多い。
自分が“何をなすか”ではなく“給料をもらうこと”を優先してしまう」

でも仕事はお金が目的ではない、と伊勢谷さんは考えた。

「だってしかたがないじゃないですか。
お金は必要でしょ? って言葉がまず出てくる。
自分が“何を為す(なす)か”、その “志”が、
つまり仕事を“志事”だと考えることが大切なんです」

持続可能な社会を牽引する“志”を持つ人材、
その想いを“行動”に起こすことのできる人材育成・社会起業家育成。
それを目指した取り組みが必要だ。
そうしてできたのが現代版〈松下村塾〉ともいえる〈松下村塾リバースプロジェクト〉だ。
大学生版、地域版、社会人版など、さまざまなかたちで活動している。

自分が“何を為すか”、その “志”が大切と語る伊勢谷さん。写真提供:株式会社リバースプロジェクト

オンラインサロンスタート!

3月1日〈松下村塾リバースプロジェクト〉のオンラインサロンがスタートした。
DMMの会員制オンラインコミュニティ〈lounge.dmm〉の
プラットフォームを使用した、志のコミュニティだ。
まず株式会社リバースプロジェクトの会社の定例会をオープンにした。

「株式会社の定例会をオープンにするって、普通考えられないことだと思います。
みんな誰でも問題提起できるようにし、それに対してみんなで解決方法を考え、
そのソリューションを持っている会社をつなげる。
解決策をしっかりプラン立てる、実行する。
それはこれまでリバースプロジェクトがやってきたことなんですが、
そのハブが〈松下村塾リバースプロジェクト〉のオンラインサロンなんです。
リバースプロジェクトは社員10人にも満たない会社なんですが、
20名のメンバーがさらに参画しています。
あらゆる地域や企業とつながっていく可能性がある。
そんな設計をしました」

Web上の会員制サロンのかたちで参加ができる定例会を通じて、
会員と事業を協働する仕組み。
そして“オフ会”と称するリアルな交流の場を定期的に持つ。
人づくりの場であり、新しい会社の仕組みだ。
第1回の“オフ会”は3月18日に予定されている。

〈松下村塾再0-ZERO〉。“志を持つ”というテーマで学生との討議が行われた。写真提供:株式会社リバースプロジェクト

“知行合一”のまなびの場

江戸時代末期、吉田松陰は塾生たちに
「あなたの志はなんですか?」と問いかけ続けた。
同じように伊勢谷さんも若い学生に「あなたの志はなんですか?」と問う。

「〈松下村塾リバースプロジェクト〉は“志”という共通の価値観でつながり、
未来志向のプロジェクトを共創していくプラットフォームです。
“志” を持つすべての人へ開かれています。
こういう課題がある、それをみんなで共有する。そして行動する」

3月6日、若者の新規事業立ち上げを推進するGOB Incubation Partnersと、株式会社イトーキとタッグを組み、
4月から大学に進学する学生を中心に
“社会に出る前にいまできること・やるべきこと” をじっくりと考える対話の場
〈大学生版松下村塾0-ZERO〉を開催した。
プレゼンテーションやアクティビティを行いながら、
参加者それぞれの大切にする考えや価値観を抽出していく。

「大切にしているのは “知行合一”という考え方です」

“知行合一”とは吉田松陰が自身の私塾〈松下村塾〉に
掛け軸として掲げられていた文言として知られる。
知識や耳学問で、物事を知ったかぶりで判断するのではなく
実際に体験し、実践を重ね、工夫し鍛錬して初めて物事を真に理解できる、
という意味だ。

「考えるだけなら誰でもできる。行動しなければ、何の意味もない」

社会が解決できずにいる“ソーシャルイシュー”を取り上げ、
参加者でディスカッションする。
そこから“未来のために何ができるのか?”
“個々人の“志”をもとに、具体的に必要とされるアクションとは何か?”について、
ダイアローグしていく試みだ。

高校生との対話プロジェクト〈松下村塾再0-ZERO〉写真提供:株式会社リバースプロジェクト

資本主義社会のなかで

「僕らが活動する動機は“人類が地球に生き残ること”を
資本主義社会のなかでやっていくということ。
イノベーションや社会のインフラづくりのなかで企業という形態をとりつつ、
“志”でつながっていく集合体をつくっていく。
そこから生まれる事業や商品を通じて生活が形成され、社会ができるわけです。
いま僕らは株式会社というスタイルのなかで、
それをどのようにデザインしていくことができるか挑戦しているんです」

“志”でつながっていく集合体としての企業のあり方を模索している
株式会社リバースプロジェクト。次回は共同代表の龜石太夏匡氏に、
これまでの活動と現在の具体的な事業についてのお話をうかがう。

後編【震災が大きな転機に。龜石太夏匡が語るリバースプロジェクトの始まり リバースプロジェクト 後編】はこちら

information

リバースプロジェクト

https://www.rebirth-project.jp

松下村塾リバースプロジェクト

http://www.shoka-rebirth-project.jp/

DMM Lounge 松下村塾リバースプロジェクトページ

https://lounge.dmm.com/detail/7/

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