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RICE475収穫祭レポート(後編)

RICE475レター
vol.002

posted:2012.2.14   from:新潟県南魚沼市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  コシヒカリの最「幸」級米を目指すプロジェクト、RICE475。
新潟県魚沼の米屋 廣新米穀店の4代目・覺張雄介が、日本の食卓と農業の未来を語ります。

writer's profile

Yusuke Gakuhari

覺張雄介

がくはり・ゆうすけ●1980年3月27日新潟県生まれ。A型。株式会社WV 代表取締役。 米どころ越後魚沼で戦前より続く米屋「廣新米穀」4代目。幼稚園の頃の夢は「悪魔」だったが、米屋を営む祖父の背中を見て、小学校3年生の文集には「米屋になりたい!」と無事に人間の道を選んだ。高校卒業後、アパレル業界へ進むために故郷魚沼を離れ、トレンドの移り変わりの速い業界で商売を学び、家業復活のために帰郷。 農業の様々な問題に直面し、魚沼を愛するひとりとして、次の世代に残せる地域づくりや農業の新しい形を勝手に模索中。

いざ、収穫祭BBQへ!

1日目のオリエンテーションで仲間になり、2日目早朝から座禅で精神状態を整え、
着々とRICE475の新米を食すコンディションを整える、
<RICE475収穫祭>にご参加のみなさん。
次に向かった先は魚沼が誇る銘酒「鶴齢」でおなじみの青木酒造さん。

通常、酒蔵見学を行っていない酒蔵ですが、
なんと特別に酒蔵見学をさせていただきました!
魚沼の美味しい水、美味しいお米から造られる地元自慢のお酒は、
また改めてじっくりレポートさせていただきたいと思います。

その後、冬野菜の収穫を体験させてもらいに、南魚沼市の石打農園へ。
さっそくおじいさんご指導の下、でっかい大根とでっかい白菜を収穫。
泥まみれの虫だらけが、野菜の本来の姿なのですね。
貴重な農園での収穫体験に、みなさんとても良い表情をされていたのが印象的でしたよ!

そしていよいよ、メインイベントの収穫祭BBQ!

まずは、豊作を祝して鏡割り☆
もちろん「鶴齢」で。青木酒造さんありがとうございました!
淡麗ながら、やさしいお米の甘みを感じる「鶴齢 純米吟醸」をすすりつつ、
小山流の方々による、津軽三味線の演奏を堪能しました。
演奏していただいた小山流3代目、小山豊さんは、
紅白歌合戦やレコード大賞などでも演奏され、古典的な演奏だけでなく、
バンド形式での演奏も多く、枠にとらわれない独自のスタイルでご活躍されています。
共演者には北島三郎さんからナオト・インティライミさんまで。幅広いですね!
素敵な演奏ありがとうございました!

鏡割り、三味線と縁起物を楽しんだ後は……
腹ごしらえのみ!!

八色しいたけ、自然薯、神楽南蛮、採れたて大根……旬の野菜満載のBBQ。
もちろんお肉は越後もち豚です!
きのこたっぷりの芋煮は、鶴齢の酒粕を使った醤油ベースと関興寺の味噌ベースの2種!
さらに、皆で収穫を祝して餅つきをしました!

とどめに、田植えや除草など、皆さんと一緒に育てた
無農薬栽培の南魚沼産コシヒカリ「RICE475無農薬無化成肥料栽培米」の新米を、
ぬか釜で炊飯!!!
ぬか釜とは、籾殻と杉の葉を燃料に羽釜で炊飯するスタイルです。
昔はどこの農家でもぬか釜で炊飯していたそうです。
直火でお釜で炊飯する訳ですから、美味しくない訳が無いです!
重い木の蓋を開けたときに、蒸気の奥から現れる、つやつやご飯、
思い出すだけでヤバイ……

地元の旬の食材をおかずに、
獲れた産地で、生産者の方と共に食べるご飯。
しかも、福岡からご参加いただいた方から、本場の明太子のお土産が!
なんとも最高の贅沢☆

今年のRICE475は豊作でした。
そのうえ、甘みも強く、お米自身の味がしっかりしています。
参加者の方からも、
「今まで食べたお米の中で一番美味しい!」
「お米に味があるのを初めて知りました!」
「実はお米はあまり好きじゃないけど、コレは好き!」
など、嬉しい感想を沢山いただきました☆
中には、
「美味しくて食べ過ぎて太ります」
と、うれしいクレームも。笑
みなさんに魚沼フルコースをドーンとご堪能いただけたかと思います!

ほぼ寝てない上に、満腹でみなさんが動けなくなったところで、収穫祭も無事に終了☆
迷アテンドではありましたが、本当にみなさんと一緒になって楽しませていただきました!
収穫の感謝はもちろんでしたが、
まだまだ手探りなRICE475を応援し続けてくださるみなさんと一緒にお祝いできたことに、
感謝の気持ちで一杯になりました。

驚いたのはその後。
数日後に参加者のみなさまから何通もメールをいただきました。
その内容は、「楽しかった」「美味しかった」の先にある、
僕らが目指す「農家の価値向上」に対するメッセージに溢れていました。

「大きな組織ではなかなかできない大切なことをされていると思うので、
大変だとは思いますが、頑張ってくださいね。
いつか、大きな実を結ぶことを期待しています☆」
「今後の農業の発展に向けて頑張ってください!
農業をした事が無く分らない事だらけだけど
自分なりに考えつつ生活をしてみようと思っています」
「6次産業化が目指す、地方が持つ魅力を活かしたスケジュールで感動しました」
などなど。

たった2日間の、しかも迷アテンドで、みなさんにそこまで想像していただけたことがうれしく、
また前進する僕らの活力になりました!

新米農家と新米米屋ではありますが、リバース・プロジェクトと共に、
僕らだからこそ出来るアクションを起こし続けます!
そして、農家の価値を高めることで、日本の未来に貢献できるよう、
日々前進して行きたいと思います!

みなさまも機会がありましたら、ぜひ魚沼を体験しにいらしてください☆

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