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小さな農村には日本の美しい秋がある

小豆島日記
vol.125

posted:2015.9.28   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/

おいしい秋、美しい景色

栗に柿にさつまいも!
今年もきました、おいしい季節、秋。

私たちが暮らしているのは、小豆島の真ん中にある肥土山(ひとやま)という農村です。
農村で暮らしていると、季節の移り変わりをとてもよく感じます。
風景、食べ物、虫の鳴き声、空気、すべてが季節とともに変わっていきます。

薄紫色の小さな花、シオン。毎年この時期に咲きます。

柿〜。いたるところに柿〜。

しその花。しそはこの時期に種を落とし、また来年同じ場所にたくさん生えてきます。

日が暮れるのが早くなり、朝夕に肌寒さを感じ始めるこの時期は、
特に季節が変わっていくのをよく感じる気がします。
だいぶ涼しくなったなーと思う頃、にょきにょきと姿をあらわすのが彼岸花。
畑や田んぼのあぜ道に毎年決まったこの時期(お彼岸の頃)に花を咲かせます。
彼岸花の球根には毒があり、モグラやネズミよけのために
昔は田んぼのあぜ道などに植えたと言われています。
黄金色の田んぼと真っ赤な彼岸花のコントラストはとても美しい。

肥土山のおとなりの集落、中山の景色。

田んぼのあぜ道に咲く彼岸花。

そしてなんといってもこの季節に心躍るのは食!
どんな季節にもおいしいものはありますが、なぜか収穫というと秋のイメージ。
日本人にとって主食であるお米の収穫が秋だからかな。

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それにしても、8月後半からとにかくいろんな実の収穫が続いてる。
すだち、イチジク、ぶどう、栗。
もう少ししたら柿やみかんも。
10月からはオリーブの実の収穫も始まる。

畑からの帰り道、栗と柿をゲッツ!

すだち(左)と熟す前の青いみかん(右)。

すだちを使ってつくった自家製ジンジャーエール。

畑では春に植えたさつまいもをようやく収穫。
これも秋の恒例作業。

家族みんなでさつまいもの収穫。

さつまいもの収穫はツルをどかしたりビニールマルチ(保湿や雑草除けのために土にかぶせてあるビニール)をはがしたり重労働です。

今年はイノシシ被害もなく豊作。

小豆島には大きな農業地帯はない。
そもそも島という限られた土地で、さらに山が多く平地の割合はわずか。
だから、昔から農業よりも漁業や製造業(お醤油やお素麺など)が栄えてきたそう。

小豆島にあるのは、大規模な農業じゃなくて、
どっちかというと「農のある暮らし」といったほうがしっくりくるかも。
自分たち家族が食べる分をつくる。
だからこそ、これだけいろんな種類の果物や野菜が身近にあり、
それが組み合わさって美しい景色ができあがってるのかもしれない。

小さな農村。
美しい日本の秋の風景があり、おいしい食があふれてる!

information


map

HOMEMAKERS 

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1

営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)

http://homemakers.jp/

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