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季節の移ろいを感じる暮らし

小豆島日記
vol.096

posted:2015.3.9   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/

季節を感じながら、畑で作業する。

小豆島で暮らすようになって、マチでの暮らしと大きく変わったこと、
それは外で過ごす時間が圧倒的に増えたこと。

朝起きて、まず外に出る。
外の空気に触れて、それから朝の支度。
子どもを学校に送り出し、いざ畑へ。
畑から戻って家のことをしてても、なんだかんだ外と中を行ったり来たり。

外で過ごす時間が長いと、すごく季節の移り変わりに敏感になる。
まだまだ寒い冬だと思っていたら、立春を過ぎたあたりから、なんだか陽射しが暖かい。
空気は冷たいんだけど、明らかにそれまでとは違った陽射し。
春に向かって季節が動いているんだなと感じます。

気づけば力強い春の陽射し。

あちこちで梅の花が咲いています。

金柑の収穫。1~3月頃が収穫シーズンです。

そして、畑。
畑は季節そのもの。
野菜や植物は、気温や日照時間にすごく敏感に反応します。

秋に種をまいた春キャベツ。ようやく収穫。

あやめ雪という品種のかぶ。とう立ちする前にぎりぎり収穫。

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例えばこの時期だと、白菜やキャベツ、ブロッコリーやカブなどの
アブラナ科の野菜たちは一気に花を咲かせます。これは「とう立ち」といって、
花を咲かせるための茎(とう)がにょきにょき伸びてきます。
とう立ちは実は暖かくなったから始まるんじゃなくて、
その野菜が低温の状態である一定の期間を過ごすと始まるそう。
冬の寒さをたくさん経験して、さてそろそろ寒さも十分味わったから
花を咲かす時期かなと野菜が判断する感じ。
それがちょうど暖かくなり始める時期、つまり立春が過ぎた頃。

とう立ちしたカブ。実にすじが入りおいしくなくなります。

こんなふうに茎が伸びて花が咲いてしまいます。

空気の温度、陽射しの強さ、植物の成長の様子、
そんなものを見たり感じたりするなかで、
季節が変わっていくのをとてもよく感じます。

季節の移ろいにおいていかれないように、私たちはいつも焦りながら作業(笑)。
種をまき苗を育て、畑の土を起こし苗を植える準備です。

春が来ますね。

種まき作業。ひと粒ひと粒まいていきます。

土なのか種なのかわからないほど。これが芽を出し育ちます。

information


map

HOMEMAKERS

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/

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