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移住がきっかけでパン屋に?
伊豆に移住したカメラマンが
ときどきパン屋をやろうとする理由|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.025

Page 2

移住と関係ないようで大いにある、
パン屋のこと

もし下田に住まなかったら、こんな展開にならなかったかもしれません。
私、パン屋をやってみようかと思っているのです。
カメラマンときどきパン屋という、二足のわらじを履いてみようかと。

「ゲストハウスやるとかパン屋やるとか、大丈夫なのか津留崎家?」
という声が聞こえてきそうですが、
やってみたいと思ってしまったのだからやってみるしかない。
大丈夫かどうか正直わかりません。

43歳といえばけっこうな大人ですし、
新しいことを始めるのに不安やとまどいもあります。
けれど、伊丹十三だって映画監督としてデビューしたのは51歳。
まだまだこれから新しいことに挑戦してみてもいいんじゃないか。
ということで、今回はパン屋をやろうというまでの
いきさつを書かせていただきます。
一見、移住と関係ないようですが、これが大いにあるのです。

上から時計回りに、小豆入りライ麦パン、バゲット、ピーカンナッツと蜂蜜のバゲット、ライ麦プチパン。

私がパンの世界にのめり込んだ最初のきっかけは、
東京で通っていた玄米菜食の料理教室でした。
その教室で教わったのが、玄米酵母を使って焼くパン。
素朴でありながら風味が奥深く、自然な甘みがふんわりと漂う。
いままでのパンには感じたことのないそのやさしい味わいに、
すっかり魅了されたのです。

それ以来、自分で酵母を起こして頻繁にパンを焼くようになりました。
玄米酵母というのは、玄米と麹と水を合わせて発酵させたものです。
以前使用していたドライイーストや既製品の天然酵母とは
比べ物にならないほど自然な甘みが感じられるので、
砂糖やオイルや乳製品などを入れる必要がまったくありません。
さらに玄米と麹は体を温める性質があるので、
体にやさしいパンが焼けるのです。

下田に移住してからもパンを焼いていました。
けれど、ある方と下田で出会ったことがきっかけで、
さらにパンの世界にのめり込んでいったのです。

常温で1週間ほど放置すると、ぷくぷくと泡がたち発酵してきます。玄米酵母はほかの自家製酵母に比べてつくり方も管理もとても簡単なので、ずぼらな私にはとてもしっくりくるのです。