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地域に愛される、
伊豆下田〈高橋養蜂〉との出会い。
“ミツバチの楽園”という夢が
つなげてくれた里山の縁。

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.021

少し涼しくなって海水浴場から磯へと遊ぶ場所が変わりました。季節ごとに変わる楽しみ方を探っていきたいです。須崎恵比寿島にて。

身軽でいることでひろがる縁

田に暮らし始めて5か月が経ちました。
「暮らしを考える旅」というタイトルのこの連載。
暮らしを考えるうえでは切っても切れない収入のことを少し。

東京で会社員をしていたとき、収入は安定していました。
ですが、移住後の僕の収入はとても不安定です。

vol.017『仕事を決めずに移住? 新しい土地でナリワイを見つける』
でも紹介しましたが、
いまのところの収入の柱は看板づくりの仕事です。
といっても正社員としてフルタイムで働いているわけではありません。

妻はフリーランスのフォトグラファーで、
現状、東京での仕事がほとんどです。
仕事が入ったときには泊りがけで行くことになり、
その際には僕が娘の世話をしなければなりません。
また、僕としても、ひとつの仕事にこだわるのではなく、
この地域で自分が必要とされる仕事、
自分が生かせる仕事を探っていきたいという思いがあります。

そんな事情から、平均して平日の3~4日は看板をつくり、
ほかの日は文章書きや飲食店、民宿の手伝いなどの仕事をして
家賃や生活費を捻出しています。
でも、その状況だからこそ時間の融通がきき、
惹かれるイベントやお誘いがあれば顔を出せるというメリットもあります。
結果、地域や人とつながりやすく、さまざまな縁に恵まれてきました。

収入は東京での会社員のときと比べると半分以下です。
落ち着かないヤツだ……と敬遠されることもあります。
けれど、移住したばかりのこの時期は、
収入にこだわらずに身軽にあちこちに顔を出して、
さまざまな縁をつくっていく期間と割り切ることにしました。

そして、いままた、そうしてつながった縁から
ワクワクすることが始まろうとしています。

フォトグラファーの妻は、魅力的な食の生産者を撮影することを
ライフワークとしています。

例えば家族で旅をしていても、魅力的な生産者に出会い、
撮影の許可をもらうと家族旅行そっちのけで撮影モードに。
そんなとき、僕と娘は「また始まっちゃったね……」と半ば呆れて
ふたりで過ごしています。

(そんな傾向から生まれたのが妻のコロカルでのもうひとつの連載
「美味しいアルバム」です。この連載が始まってからは
あまり更新されていませんが、ぜひご覧ください)

そして、暮らし始めた下田でも、魅力的な生産者に出会うと
熱に浮かれたようにその生産現場の撮影に行っています。
この連載でも何度か紹介している飲食店〈Table TOMATO〉で知った
〈みかんの蜂蜜〉をつくる養蜂家、
〈高橋養蜂〉の高橋鉄兵さんに対しても、その触手が伸びたようです。

高橋さんのつくるはちみつはTable TOMATO以外にも
地元産食材にこだわった飲食店や直売所、お土産屋で扱いがあります。
そのあちこちで、高橋さんは養蜂への愛がすごい人だとの噂を耳にします。
妻はそんな高橋さんの養蜂の現場を撮影させてもらいたいと
連絡をとっていたのです。

ちょうど養蜂の現場を撮影するフォトワークショップがあるということで、
高橋さんからお誘いいただき夫婦で参加することに。
(こういったお誘いもフルタイムで働いていたら
対応できなかったのかもしれません)
そして出会った養蜂家、高橋鉄兵さん。
噂にたがわない養蜂愛、ミツバチへの愛に溢れる方でした。

高橋さんは、いくつもの仕事を持っている
移住者の僕に興味を持ったようです。
じっくり話をしましょうということで後日、再び訪ねました。

多くの植物の受粉をしているミツバチ。そのミツバチが農薬の影響などにより減少しています。「『元気で強いミツバチをたくさん育てることが、世界を救うことにつながるのでは』と考えた僕は、故郷の下田に戻ってきたのでした」高橋養蜂HPより。