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移住先の有力候補? 津市美杉町で
〈日本料理 朔〉を営む
魅力的な夫婦との出会い|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.004

Page 2

海から山へ。島から半島へ。旅は続きます。

お伊勢参りの道中に泊まった、
美杉の農家民宿

路島を出て、東京に戻るつもりが、どうしてもその足で
三重県の美杉町を見たいと、急遽、予定を変更したわが家の移住先探しの旅。

昨年、初めて行ってから何度も通っている僕たちにとっては
思い入れの強い美杉ですが、あまり馴染みのない方のために少し紹介します。

美杉町(旧美杉村、以下 美杉とします)は南北に長い三重県の中心に位置し、
2006年に三重県の県庁所在地である津市に合併されました。
面積でいうと津市の約3分の1近くを占める大きさではあるのですが、
人口は控えめの5千人弱(津市全体では28万人ほど)。
日本の地方に共通して言えることですが、過疎化が進んでいます。

といっても大阪からも名古屋からも車で2時間という距離にあり、
大都市圏とのアクセスにすぐれる立地ともいえます。
でも、そうとは思えないようなのどかな風景が広がっているのです。

主な産業は林業と製茶。

林業といえば、林業に従事する若者の青春を描いた三浦しをんさんの
小説『神去なあなあ日常』、その小説を映画化した『WOOD JOB!』で、
その舞台となる神去村のモデルとなったことで脚光を浴びました。

そんな美杉とわが家の馴れ初めをお話します。

昨年のゴールデンウィークのことでした。
実は、能登を旅しよう! と決めていたのですが、直前になり、
ゴールデンウィークの能登はやっぱり寒そうだ……。
前回の移住先の条件でも書いたのですが、
僕ら夫婦はとても寒がりなのです)
もっと暖かいとこに行こう! では、どこに行く? となりました。
で、あらためて日本地図を眺めての話し合いの末に、
家族では行ったことのなかったお伊勢参りをしようとなったのです。
そこで、道中に宿泊した宿のひとつが美杉にある〈農家民宿なかや〉さん。

農家民宿とは、従来の民宿や旅館、ゲストハウスと比較すると
小規模で、農業を営む方が開業できる宿です。
小規模なだけに、宿の方といろいろとお話しできたり、
農業体験ができたりということで、名所巡りよりも
地元の方と関わる旅が好きなわが家にぴったりなのです。

旧・伊勢本街道沿いの宿場町だった上多気地区にある〈農家民宿なかや〉。宿を営んでいるのは、大阪より美杉に移住してきた岩田さん。とてもあたたかく面倒見のよいご夫婦で、ご主人は津市の田舎暮らしアドバイザーとしても活動されています。

農家民宿なかやさんに到着し、古民家の雰囲気にわくわくしながら
お茶をすすっていると、ご主人よりバーベキューのお誘いが。
これぞ農家民宿の醍醐味! とばかりに喜んで参加させていただきました。

バーベキューはもちろん地元の食材! アマゴや鹿肉などなど。お酒が進みます!

奥さまと息子さんも加わっての楽しい宴が始まりました。
お酒も進み、夜も深まってきた頃、
奥さまからわが家の運命を変えるひと言が。

「津留崎さんと同世代の家族が近くに移住してきて、
そこの娘さんが花歩ちゃん(わが家の娘)に瓜二つなんですよ! 
明日にでも会いに行きますか?」

娘とそっくり? 移住してきた家族? それは是非会いたい! 
ということで二つ返事でお願いしました。

そして、聞くところによると、自宅の離れをレストランにすべく
自分たちで工事中とのこと。
自分たちで工事中? そちらにも興味が湧く……。
といっても当時、東京のリノベーション会社で
いくつもの現場を任されるような立場にあった僕は、
「まあ、一般の人がDIYで工事しているというくらいだから、
いわゆる手づくり感満載の感じかな」とは思っておりました。
と言っても自分は職人ではないので、何かつくるとなると
手づくり感満載なのですが……。

そして、楽しい宴が終わり、翌日、岩田さんとともに
そのご家族、沓沢さん一家に会いに行ったのです。