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連載

あの映画の聖地から
漬物ステーキまで!
飛騨市の注目スポット

あなたはなぜ飛騨を好きになったのですか?
vol.003

posted:2016.11.7  from:岐阜県飛騨市  genre:暮らしと移住 / 旅行

sponsored by 飛騨地域創生連携協議会

〈 この連載・企画は… 〉  最近、飛騨がちょっとおもしろいという話をよく聞く。
株式会社〈飛騨の森でクマは踊る〉(ヒダクマ)が〈FabCafe Hida〉をオープンし、
〈SATOYAMA EXPERIENCE〉を目指し、外国人旅行者が高山本線に乗る。
森と古いまち並みと自然と豊かな食文化が残るまちに、
暮らしや仕事のクリエイティビティが生まれ、旅する人、暮らし始める人を惹きつける。
「あなたはなぜ飛騨を好きになったのですか?」

writer profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

photographer

Masahiro Ota

太田昌宏

credit

Supported by 飛騨地域創生連携協議会

飛騨市で注目の文化やスポット

飛騨エリアとは、高山市、飛騨市、下呂市、白川村の4市村のこと。
しかしそれらは広く、全体としての特徴がありながらも、
それぞれには深い文化が醸成され、おもしろいスポットも誕生している。

そのなかから今回は飛騨市で注目すべき場所を紹介。
最近では映画『君の名は。』の聖地巡りを楽しんでいる人も多いが、
通常の観光エリアから一歩踏み込んだ飛騨を感じてもらえるだろう。

飛騨の森の香り漂う〈calm’s cafe〉

飛騨がある岐阜県は、全国有数の森林県。特に飛騨は木工のまちである。
そんな木工技術やクラフトマンシップを、
手軽に、そして間近に感じられるカフェがある。
古川のまち中から少し離れたところにある〈calm’s cafe〉だ。

オーナーの堅田恒季さんは、木工職人でもある。
それだけに店内はクラフト感にあふれている。
「カフェをやりたいというより、カフェの空間をつくってみたかったんです。
だからトータルコンセプトがあるわけでもなく、
その時々の“こうしたい”が集まっています。
窓も、たまたま持っている窓があって、それに合わせた間仕切りと形だったりします」

カフェでありながら、堅田さんがつくった商品のショールームにもなっているのだ。
カフェの奥は工房になっているので、木の香りも漂ってくる。
クラフト好きにはたまらない空間だ。ワークショップを開催していることもあるので、
飛騨の木工を肌で感じたい人は参加してみては?

そもそも堅田さん自身、ものづくりせずにはいられない人。
お店に遊びに行くたびに、何かが変わっているのだ。それを楽しむのもあり。

information

map

calm’s café 

住所:岐阜県飛騨市古川町栄1-1-54

TEL:0577-73-7703

http://www.rakuten.co.jp/calms-hida/

「大人の時間」も魅力的な〈飛騨市図書館〉

いまや映画『君の名は。』の聖地巡礼地として人気の飛騨市図書館。
そのなかで地元で20~30代の利用者が少ないということから始まった
「大人の時間」が話題だ。このイベントをメインですすめているのが司書の堀 夏美さん。
「本にあまり興味がない人にも図書館を使ってほしい。
読むだけでなく、調べものもできるし、
いざというときに図書館があるということを知ってほしい。
一度行ってみたいと思わせるフックをいろいろなジャンルでつくっています」

これまで、大型本を並べてギャラリー風にしたり、大人向け絵本の朗読会をしたり。
ジャズライヴや蓄音機を使った試聴会も行われた。
最近注目を集めたのが、なんと官能小説朗読ライヴだ。堀さんたち自身が朗読した。

これからは、ただ目立つだけでなく、
より地元の人たちと一緒につくりあげていきたいという。
飛騨で薬草を普及しようとしているグループと一緒に、
マイ薬草茶をつくる催しも「魔女の集い」として開催された。

「人が集まったときに生まれる会話を大事にするのも、
情報拠点としてやるべきことのひとつだと思います。
ローカルだと特に、人との会話のなかで知る情報が大事なんです」
飛騨市図書館のイベントをきっかけに、飛騨古川を訪れてみてもいいかもしれない。
飛騨のことをより知ることができる場所で、いっそう飛騨に詳しくなれそうだ。

information

map

飛騨市図書館

住所:岐阜県飛騨市古川町本町2-22

TEL:0577-73-5600

営業時間:火曜日~土曜日・祝日 9:00~20:00、日曜日 9:00~17:00

http://hida-lib.jp/

飛騨で独特の発展を遂げた漬け物文化

飛騨エリアは、漬け物が盛ん。冬の保存食として発達してきた。
古川のまちで漬け物名人として知られる加藤敏子さん。
販売などはまったくしていないのに、昨年は330キロの漬け物を漬けたという。
「生まれも育ちも古川です。子どものころから実家でも親から漬け物は習いました。
ここに嫁いで、こちらのお母さんからも習いました。
昔からある定番は、白菜と赤かぶらを使った“切り漬け”。基本的には塩のみで漬けます」

この切り漬けは、いつもはそのまま食べるが、
「漬け物ステーキ」になったり、「煮たくもじ」になったりもする。
「切り漬けも時間が経つと酸っぱくなってしまいます。その直前に冷凍しておきます。
解凍して、2回茹で、水分を絞った後、ごま油で炒めて煮たものが煮たくもじです」

いまでも漬け物を漬ける家庭が多いという古川。
敏子さんの最新版は、きゅうりのきゅーちゃん漬け、
きゅうりのからし漬け、大根の柚子漬けなど。
最近では少なくなってきたというが、それでも漬け物の味は各家庭に伝わっている。
せっかく飛騨に来たならば、漬け物を食べないという手はない。

飛騨の味が堪能できる〈香梅〉で漬け物ステーキを

漬け物は飛騨エリアの名物だが、飲食店でよく提供されているのが漬け物ステーキだ。
漬け物をステーキに? と思うかもしれない。実際にその通りなのである。
鉄板や陶板などで漬け物を焼き、ステーキのように供される。
もともとは古くなってしまった漬け物の再利用として考えられたというが、
定番メニューのひとつとなったいまでは、漬け物ステーキ用に
わざわざ塩を強めに漬けて、保存をしていたりもする。

「味付けは飲食店や家庭によってさまざまです。
うちは卵を落として醤油をかけてもらいます」と言うのは、
古川で50年お店を構える居酒屋〈香梅〉さん。
卵でとじるところが多いなか、こちらは生卵を落とす。
好みの半熟加減にしてトローリおいしい。

飛騨地方では、いろいろなところで食べられる漬け物ステーキ。
食べ比べをしてみても楽しい。

「なすの田舎焼き」も辛めの味噌が絶品。

information

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香梅

住所:岐阜県飛騨市古川町金森町15-38

TEL:0577-73-4035

古川には和服がよく似合う。〈大洞〉で着付けはいかが?

映画『君の名は。』を見た人のなかには、前半のシーンで、
主人公が組み紐をしているシーンを覚えているかもしれない。
あの組み台が実際に店頭に置かれているのが、120年続く呉服屋の
〈大洞(おおぼら)〉だ。現在の店主、大洞壽賀子さんは6代目。
着物の販売と仕立て直しなどのメンテナンスを受けつけている。

3年ほど前には、ゆかたと着物の着付けサービスも始めた。
特に外国人観光客に人気だ。
「4割くらいは外国のお客様です。帯のみで留めている感覚がおもしろいようですね」
和装は、外国人であっても古川のまちと調和して美しく見える。
日本人であるなら、なおさら挑戦してみたい。

「観光客の方とお話して、住んでいてはわからない
地元の魅力に気がつくことが多いです」と言う大洞さん。
だから組み紐きっかけでも、気軽に訪れてみよう。

information

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染めと呉服 大洞(おおぼら)

住所:岐阜県飛騨市古川町本町2-15

TEL:0577-73-2209

まちを一望できる〈気多若宮神社〉

まち外れの石段をのぼっていくと、平安時代に建立されたとされる
〈気多若宮神社(けたわかみやじんじゃ)〉の境内にたどり着く。
そこからは古川のまちを一望できるので、
まずここを訪れてみると全体像をイメージできる。

毎年4月19日、20日に行われる有名なお祭り〈古川祭〉は、この神社の例祭であり、
祭りで大きな太鼓を打ち鳴らす〈起こし太鼓〉が奉納されている。
4月の古川祭に行けなくても、まちを象徴する存在である気多若宮神社で
その息吹を感じたい。

information

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気多若宮神社

住所:岐阜県飛騨市古川町上気多1297

市民の生活も支える〈天王洞〉の豊かな湧き水

古川の住民も日常生活用水として汲みに来るという湧き水。
〈天王洞〉は道路から少し入った場所に水場があるが、その先の階段を登って行くと、
上には不動明王が祀られており、もっと小さな水場がある。

飛騨地方は湧き水が豊富で、生活と密着している。
ひっそりとあるこの水場で、まずは飛騨のおいしい水を感じてみよう。

大塚さんちの〈豆つかげ〉

飛騨地方らしいおみやげといえば〈豆つかげ〉。
大豆を醤油と砂糖で味つけした小麦粉で揚げるだけという、実にシンプルな逸品。
飛騨の方言で「つかげ」とは「揚げたもの」を指す。
農家の大塚智英さん一家がコツコツと揚げているのだ。

少しかためだが、バリバリと食べ進める食感が心地よい。
パッケージも透明の袋に飾り気のない文字。「ベスト・オブ・素朴」とでもいうべき、
しかしやめられない止まらないおつまみである。
宿でビールのおともに、駅やまち中のお店でも売っているので、おみやげにも最適。

■新しいものと古いものが混在するまち「飛騨市」をもっと知るには↓

グッとくる飛騨:飛騨市

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