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連載

中富良野の〈Cafe てくり〉
石窯焼きの本格派ピザと
地野菜たっぷりのランチタイム

my weekend@HOKKAIDO
大雪山と、北の暮らしを旅する
vol.014

posted:2017.9.28  from:北海道空知郡中富良野町  genre:旅行 / 食・グルメ

PR 北海道観光振興機構

〈 この連載・企画は… 〉  “北海道の屋根”と言われ、日本最大の〈大雪山国立公園〉を有する大雪山。
深く美しい大自然のなかで、コテージや温泉宿に滞在しながら、北の暮らしを旅します。

photographer profile

Asako Yoshikawa

吉川麻子

フォトグラファー。北海道苫小牧市生まれ。札幌市在住。2006年からのスタジオ勤務を経て2011年より独立し、フリーランスとなる。主にポートレイト、衣食住、それらに関わる風景など幅広く撮影。おいしいものといい音楽があると笑顔になります。
気のいい犬1匹と現在二人暮らし。

writer profile

Akiko Yamamoto

山本曜子

ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/

素材を生かした丁寧な料理が人気のカフェ

手づくりの石窯で焼かれる、カリッとした焦げまでおいしいピザ。
メニューのなかでも人気を誇る「4種のチーズピザ」が焼きあがると、
チーズのいい香りがふんわりと漂ってきます。

北海道の中心にある、大雪山系の十勝岳連峰を望む中富良野で
2016年にオープンした〈Cafe てくり〉は、
札幌のイタリアンレストランで修業を積んだシェフ竹内裕介さんの
本格的なイタリアンメニューが楽しめるアットホームなカフェです。

赤い屋根が目印のてくりを秋に訪れると、黄金色の風景が出迎えてくれます。その向こうには、晴れた日には雄大な姿を見せる十勝岳連峰が。

全国的にも有名な旭川の観光庭園〈上野ファーム〉から
美瑛・富良野を通り、占冠(しむかっぷ)までの国道237号線は
〈花人街道〉の愛称で親しまれ、車窓から美しい景観を楽しめるルートです。
中富良野のまちを通る花人街道を道道750号線へ折れてしばらく進むと、
田園風景にそっと佇む、赤い屋根のCafe てくりが見えてきます。

田園風景に佇む、納屋をリノベーション

明るい光が差し込む店内は木のあたたかな雰囲気も心地いい。左のテーブルセットは、富良野にあった〈北の国から資料館〉が閉館するときに譲り受けたものだそう。

もとは農家の納屋だった建物を自分たちでリノベーションしたお店は、
まわりの風景を切り取るような大きな窓と高い天井が開放的な空間です。
店内の、サイズもさまざまな窓、テーブルや椅子、
キッチンの什器類に至るまでほとんどがいただきもの。
それぞれ物語のある家具たちは、どれもお店にしっくりと馴染んでいます。

注文を受けてから、ピザ生地を手早く丁寧に伸ばし始めます。

まちはずれにありながらランチタイムは
混み合うCafe てくりでぜひオーダーしたいのが、石窯焼きのピザ。
十勝産の小麦と天然酵母を使い、手ごねした生地は
ふっくらもちもちかつ香ばしい焼き上がりで、くせになるおいしさです。
なかでも定番のピザ「4種類のチーズはちみつがけ」は、
重ねられた濃厚なチーズに、トッピングされたはちみつが絶妙なバランスです。

ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、グラナパダーノ、マスカルポーネチーズをたっぷり乗せた生地を窯へ。職人技が光る一瞬。

石窯のレンガは、中富良野の備前焼の窯元から譲り受けて再利用したもの。東川の道の駅に店を構える〈ピッツァ亭〉の方が、窯づくりを一から指導してくれたそう。

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富良野のおいしい野菜をたっぷり

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おすすめは、ちょっと贅沢なランチセット。
ピザかパスタかを選び、「道産きのこのピザ」「地元野菜のピザ」、
「上富良野ポークのボロネーゼパスタ」など、
定番をはじめ、季節ごとに旬を取り入れたメニューから一品をチョイス。
夏の観光シーズンがひと段落する9月から登場するハーフ&ハーフのピザも人気です。

スープ・ピザかパスタ・ドリンクの「てくりシンプルセット」、
これに前菜・パン・デザートがついてコース仕立てで楽しめる
「大地の恵みコース」はボリューム満点。もちろん、パンからデザートまで、
すべてしっかり手をかけてつくられています。

「大地の恵みコース」(1800円、ピザ+200円)。デザートのカタラーナとガトーショコラに添えられた、自宅庭のユスラウメの実のジャムも手づくり。

取材に訪れたのは9月中旬。ご近所の農家さんのトウモロコシを
ふんだんに使ったコーンスープが、驚くほど甘くまろやか。
ちょっとずついただけるのがうれしい前菜プレートには、
中富良野産野菜のサラダに、風味豊かな枝豆のムース、自家製羊のテリーヌに、
農家さんからおすそ分けされた食用ほおずきが。

すっきりとした飲み心地のコーヒーは、
富良野にある自家焙煎の〈すぎやま珈琲店〉のてくりオリジナルブレンドです。
新鮮な地元産食材をふんだんにいただけるランチセットに、おなかも心も満たされるはず。

地元の食材と向き合い、その魅力を引き出すシェフ竹内裕介さんは、数々のユニークなエピソードの持ち主。

きっかけは、あの富良野塾に入ったこと

シェフの竹内裕介さんは千葉県出身。竹内さんと富良野との縁は、
倉本聰さんが富良野で主宰していた、
シナリオライターと俳優の養成機関〈富良野塾〉にありました。
富良野塾を卒業し、俳優として長く演劇に関わってきた竹内さんは、
東京の劇団〈FICTION〉で活動する間に東日本大震災を経験します。

結婚を機に、劇団主宰の山下澄人さんに勧められ、北海道への移住を決意。
奥さまの紗夏さんの実家がある札幌に暮らし
「いつかカフェを開きたい」というふたりの夢をかたちにするため、
イタリアンの人気店〈Rich〉へ修業に入ったのだそう。

年季の入った梁はそのまま活用。お子さん連れの家族にもくつろいで過ごしてほしいという思いから、小上がり席も用意しています。

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生産者との距離が近いからできること

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独立にあたって、ふたりの小さなお子さんの父であり、
暮らしと仕事を近づけられる場所を探していた竹内さんは、
元農家の母屋と納屋のある現在の場所に出会います。
富良野塾の建物を手がけた経験をもつ演劇の先輩とともに、
5か月をかけて納屋を改装。さまざまな人とのつながりや、
ふたりの思いがかたちになって、Cafe てくりが誕生しました。

はつらつとした笑顔がすてきな奥さまの紗夏さんと。いつかは店内で自分の演劇を上演するのが竹内さんの目標。

中富良野の魅力は、四季折々の風景の美しさはもちろん、
人の温かさにもあると話してくれた紗夏さん。
「まわりの農家さんがとても親切で、規格外だけど
おいしい野菜や新しくつくってみた珍しい野菜を、
少しでも喜んでもらえるならと、おすそ分けしてくれるんです」

「この間、農家さんから
『欲しい野菜を言ってくれたらそれをつくるよ』って言われたので、
プレゼンに行こうと思っています」(裕介さん)

そう語るふたりの笑顔も、中富良野のまちをより明るくしています。

お店の名前には、ゆっくりと歩く「てくりてくり」と、
手を使って丁寧につくる「手繰り」のふたつの意味が込められています。

夏はラベンダーに彩られ、秋は山の紅葉、厳しい冬は銀世界に包まれる中富良野は、
旭川空港からのアクセスも良く、週末旅の目的地にしたいまち。
訪れるなら、ランチはもちろん、夜は予約制のディナーもいただけるCafe てくりで、
土地の恵みをたっぷり、のんびりと味わってみませんか。

information

map

Cafe てくり

住所:空知郡中富良野町東5線北13号

TEL:0167-44-3210

営業時間:ランチタイム11:00~16:00(L.O 15:30) ディナータイム予約制(2500円〜応相談) ※夏季(6月~8月)はランチタイムも予約制

定休日:日曜日・月曜日

駐車場:あり

Web:http://cafe-tekuri.com

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