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豊橋〈喜喜 よしき〉は、
“いつでもハッピーアワー”。
缶チューハイ&1000円セットで
ご機嫌な夜を!

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.004(Season3)

posted:2018.1.31  from:愛知県豊橋市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

sponsored by 宝酒造

〈 この連載・企画は… 〉  「和酒を楽しもうプロジェクト」もいよいよ5年目へ。
今回から舞台をイエノミからソトノミに移し、
“酒場推薦人”の方々が、日本各地の魅力的な「ローカル酒場」をご紹介します。

writer profile

Yayoi Okazaki

岡崎弥生

おかざき・やよい●兵庫県、大阪府、神奈川県、福岡県、東京都(ちょっとだけ愛知県)と移り住み、現在は神奈川県藤沢市在住のローカルライター。最近めっきりイエノミ派となった夫のために、おつまみ作りに励む主婦でもある。

photographer profile

Kazue Kawase

川瀬一絵

かわせ・かずえ●島根県出雲市生まれ。2007年より池田晶紀が主宰する写真事務所〈ゆかい〉に所属。作品制作を軸に、書籍、雑誌、Webなど各種メディアで撮影を行っている。
yukaistudio.com

地元の人にこよなく愛される酒場はまちの宝もの。
ローカル色豊かなおいしいおつまみや、ご主人とお客さんの雰囲気、店の佇まいなど、
思い出すと心がほんのり温かくなるような店を
“酒場LOVE”な案内人の方々に教えてもらいました。
旅先のソトノミガイドとしてもご活用ください。

旅の醍醐味はローカル酒場!
全国おすすめ酒場探訪記  愛知・豊橋編
“豊橋LOVER”が集まる伝説の酒場とは?

豊橋市といえば愛知県東三河地方の中心都市。
東海道新幹線が停車するのはもちろんのこと、
愛知県内をくまなく結ぶ名鉄の名古屋本線終点で、
南信州の大動脈・JR飯田線や渥美半島へと伸びる豊橋鉄道の起点。
名産品の〈豊橋ちくわ〉が広く知られるようになったのも、
昭和初期に話題になった豊橋駅での立ち売りから。
いかにも交通の要所として栄えたまちというイメージです。

今回の案内人は豊橋市役所の吉開仁紀(よしがい・まさのり)さん。
まず案内してくれたのは「豊橋筆」の工房でした。
豊橋は奈良や熊野町(広島県)と並ぶ筆の産地で、
書道用の高級筆は全国生産量の約7割を占めているとか。
吉田藩の頃から続く伝統工芸品ですが、
豊橋市民でもその存在を知らない人が多いそうです。

川合福男さん(中)は豊橋に13名いる伝統工芸士のひとり。
豊橋筆の特徴は、分業をせず、原毛の選別から最後の仕上げまで
36工程を職人ひとりが手掛けること。
すべて緻密な手作業ばかりで、一人前になるには20年以上かかるそうです。
それだけに、書き心地、墨の含みが大量生産品とは全然違う。
あまりにも知られていないのはやはり残念だと川合さんは話します。

そんな川合さんの希望の光が、8年前に弟子入りした中西由季さん(左)。
中西さんは伝統工芸大学校(京都府)で金属加工を専攻。
卒業後に伝統工芸が地元にあることを知り、何度も断られた末の弟子入りだとか。
豊橋全体でも20代の筆職人はふたりだけ。
しかも職人は男だけという慣習を打ち破った初の女性職人です。

「中西が一人前になるのを私は見届けられるかわからない。
せめて彼女が安心して働き続けられる環境を」
将来を案じる川合さんの言葉に吉開さん(右)は共感。
さらに、豊橋筆を知ってもらうだけではなく、
技の継承という未来を見据えた新たな挑戦を提案して川合さんは快諾。
“子どもを洗う世界一やさしい筆”をつくる
〈福筆 Fukufudeプロジェクト〉がスタートしました。

きょうのローカル酒場〈喜喜(よしき)〉は、そんな吉開さんのとっておきの一軒。
線路と道路の高架脇で周辺は真っ暗ですが、
夜空をバックに巨大な看板が招くように輝いています。

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駅近のオアシス発見!

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仲間と一緒に行きつけの酒場へ

ひと足早く到着した吉開さんは、ご主人と話せるカウンター席へ。ひとりでもよく飲みにくるというだけに、くつろいだ様子です。「きょうはどうした、なんかあったかと、必ず話を聞いてくれるから、若い僕らでも気兼ねなく楽しめる。ご主人が魅力的で料理もおいしい。こんなに雰囲気のいい店はなかなかないですよ」

こちらがご主人の鈴木良政(よしまさ/通称・よしき)さん。コックコートとハンチング帽がお似合いです。「昭和49年長嶋引退の年に開店したときは、僕が25歳でお客さんもみんな20代。いまの吉開くんより若いんだもの。あの頃は東京から豊橋に帰ってきて、なにかやりたくてむずむずしていた。彼を見ているとそういう自分を思い出すよ、懐かしいね」

店内に入ると、すでにカウンターでは談笑の輪が。
その空気をつくっているのは、ご主人の“よしきさん”の巧みな話術で、
こぢんまりした店は笑顔であふれています。
店はカウンターと小上がり、奥に20席の座敷。
奥は音楽ライブの打ち上げにもよく使われるそうです。

「僕はお酒が好きだし、何か地元で始めるならやはり居酒屋かなと。
居酒屋は誰にとっても楽しい場所ですからね。
だからメニューも自分が好きなものばかり。
豊橋の辺りは魚も野菜もなんでも採れるので、
インパクトはないけれど、逆にそれが特徴かもしれないな。
44年前と比べても、人口は増えないしまちの雰囲気も変わらない。
おとなしいけれど、人にはやさしいまちだと思うよ」

ご主人の話に吉開さんも同意。
「豊橋は特に人のつながりを大事にしますよね。
ローカルな良さがちゃんと残っているというか。
僕は豊橋出身ではないので、逆にそれがよくわかります。
飲み屋街にも大手のチェーン居酒屋は見当たらなくて、
この〈喜喜〉のような、昔ながらの良い店にちゃんとお客さんがついている。
なかでもこの店はお客さんもバイトさんもおもしろい人ばかり。
だから、よそから来た人を僕は必ず〈喜喜〉に案内します。
最初は堅かった人でも、絶対ここに来ればやわらかくなる。
それに、豊橋ってどんなまちなのか、
知れば知るほどおもしろいですよと僕が言うよりも、
この雰囲気を味わってもらう方がよくわかりますよね」

ご主人イチオシの1000円セットは、刺身盛合せと串焼き2種類、日替わりの1品。それにお通し300円で十分に満足できる内容です。きょうの刺身は、マグロの脳天・のど・ほほ・目元、カンパチ、タコ、ヒラメを少しずつ。基本的にすべて近海もの。日替わりの1品はタコの唐揚げ。ご主人の体調が理由で営業時間を短縮したので、せめて開けている時間はすべてハッピーアワーに、という心尽しのセットです。

一方、吉開さんは仕事を終えた豊橋市役所の先輩や同僚と合流。
イベントや商店街のお祭りなどの「まちなか活動」で、
いつも行動をともにしている仲間とさっそく缶チューハイで乾杯。
1000円セットを前に盛り上がります。

「〈喜喜〉と言えばなんといっても1000円セット。
僕らにはこの値段がなによりうれしいけれど、安いだけじゃない。
刺身も食べてもらえればわかる。めちゃくちゃうまいですよ。
豊橋は三河湾と太平洋に挟まれていて魚はなんでも揃う。
それに、“よしきさん”はまちでいちばんの魚屋に、
毎朝仕入れに行っているから、ものが違うんです」

吉開さんは、次々にメニューをオーダー。
「この1000円セットのラインナップを確認してから、好みの料理を追加するのが基本。
“よしきさん”はとても研究熱心だし腕がいいから、
どの料理を頼んでも外れはない。なんでもおいしいですよ」

〈よっちゃんの手羽先〉を頬張る吉開さん。これはお客さんの要望でつくったご主人オリジナル。醤油ベースでスパイシーな味つけです。「甘めの名古屋風のものよりも絶対お酒に合う」と吉開さん。1本150円。

いくつでもお腹に入ってしまいそうな餃子は450円。以前はラーメン屋も経営していたご主人自慢の一品。どんなメニューも必ず試行錯誤して、おいしいと思ったものだけを出すのがこだわりです。

具沢山でふわふわのひりゅうず(がんもどき)は新作。若者が集まる豊橋の居酒屋で、いま流行っているらしいとの情報をご主人がキャッチ。上品な味わいなのに食べごたえがあると、誰もが頼む人気メニューに。400円。

実は、冒頭で紹介した〈福筆 Fukufudeプロジェクト〉は、
吉開さんが豊橋筆のために個人的に立ち上げたもの。
市役所の仕事とは別に、豊橋の魅力を外に発信しようと、
“まちをザワザワさせている”仲間がきょうは揃っただけに、
小上がりでくつろぐ4人は自然と豊橋の話題に。

「僕はやはり農産物推しですね。
キャベツ、スナップエンドウ、ミニトマトなど、どれも品質の高さで有名。
平成の大合併まで40年近く、農業算出額は全国市町村で1位でした」(吉開さん)

「食文化もインパクト勝負の“名古屋めし”とはテイストが違い、
野菜の大産地のためか、とてもヘルシーなイメージです。
豊橋のうどん屋さんは自家製麺率100%で、
地元の人はかまぼこ、花ガツオ、青菜などが乗る〈にかけ〉が定番。
郷土料理の〈菜めし田楽〉も、倹約料理のように思われているけれど、
逆にいまの時代には受けるかもしれませんね」(高槻さん)

「このなかで僕だけが豊橋出身ですが、アクティビティが魅力です。
昔は豊橋ってなんにもないと都会に憧れていたけれど、
戻ってきて環境のすばらしさを実感しました。
自転車で海沿いを走れるし、サーフポイントも近い」(鈴木さん)

「いや、豊橋の自慢は絶対祭りです。手筒花火の発祥地ですから。
“よしきさん”も還暦まで手筒花火を上げていたんですよね」(大橋さん)

そこへ、カウンター越しにご主人も参加。
「豊橋といえば、『ブラックヘリテージ』じゃないか。
1986年7月の伝説のフェスを忘れないでほしいな」

ご主人は、高校在学中からプロのドラマーとして活動開始。昭和40年代といえばGS(グループサウンズ)の全盛期。「マヤ良樹」という芸名で“打倒ジュリー”を本気で目指したと、ちょっと照れくさそうに話してくれました。最後のバンド「ブルー・シャルム」のメンバーだった、豊橋出身の作詞家、馬飼野康二さんは、いまでも店に寄ってくれるそうです。

「僕はボランティアスタッフだったけど、
レイ・チャールズとBBキングの出演が決まったときは、
感動なんてものじゃありませんでしたね。
店も臨時休業にして、東京に何度も交渉に行って。持ち出しばかりでしたが楽しかった。
フェスの前日に、ひと晩じゅうレイ・チャールズの白いピアノをひとりで、
会場の原っぱで見張っていたのはいまでも思い出します。
なんでこんなことをしているんだろう、不思議だなって。
いまではいちばん幸せな記憶です」

名物ご主人のおもしろ話は、この日も尽きることはありません。
最初は曖昧なイメージしかなくても、まちの素顔が見えてくるのがローカル酒場。
知れば知るほど豊橋はおもしろい。
吉開さんの言葉通りの〈喜喜〉でした。

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●きょうのローカル酒場の酒
「タカラcanチューハイ」は仲間との乾杯にもぴったり。
1984年に発売した日本初の缶入りチューハイです

ベースとなる甲類焼酎には11種類の樽貯蔵熟成酒を使用。
果実と水にもこだわったワンランク上の贅沢な缶チューハイは、
発売以来34年、いまも愛され続けているロングセラーです。
〈喜喜〉では、あるとき特定のお客さんだけに試しに出してみたら、これが大好評。
いまでは正式メニューとなり、冷蔵庫に常時スタンバイ。
〈喜喜〉名物の1000円セットと一緒に、
「タカラcanチューハイ」のオーダーもお忘れなく。
もちろんよっちゃんの手羽先や餃子にもよく合いますよ。

information

map

喜喜 よしき

住所:愛知県豊橋市大橋通1-30

TEL:0532-54-0536

営業時間:17:00~22:00

定休日:月曜、木曜、日曜

アクセス:JR豊橋駅から徒歩約5分

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